勝川STAND

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藤野貴教さんに学ぶ「2020年 人工知能時代 僕たちの幸せな働き方」

グロービス知見録でこの動画を見つけた。

globis.jp

 

AIが進化した時に、働き方はどう変わるのかについて語られた1時間半という尺の講義でしたが、プレゼンテーション能力に非常に長けておられる方で、あっという間に見終えるほど、充実した内容でした。
 
このような優良コンテンツを無料で見ることができると、逆に、どうすれば有料にすることができるのか、そのハードルの高さも同時に感じる。

 

心を惹きつけられたのは、この言葉でした。

 

成果が出ているのに、なぜか、心が乾く。

 

藤野さんは独立前に、人事コンサルティング会社を始めとする複数のベンチャーでゴリゴリ汗を流して、時間という枠には囚われず、身を削って働いた。働いて働いて、成果も出している。だけれども、なぜか、心が乾く。

 

レベル感や業務内容に違いはあるものの、自分自身もそういった20代を過ごした。課せられた目標に向かって突き進み、考え、実行し、ムチを叩かれ、飴をもらい、成果を出していた。でも、心が乾く。僕の場合のこの問題ははっきりしていた。全て上司にやらされていたからだ。自分で考えるというよりも、上司の考えがあって、そこに向かえばいいんだ、そこに向かえば成果が出るんだと。それがいつしか、そこに向かえば怒られずに済むんだみたいな考えになり、顔色を伺って働いていた。これでは心が満たされるはずがない。そこに自分がいないから。

 

藤野さんの会社名も、親近感を覚える。クリエイティブも、すごく気持ちいい。

www.hatarakigokochi.jp

 

先ほど紹介した動画は、こちらの書籍のリリース後にグロービス名古屋校で行われたセミナーであり、ダイジェスト的なもの。

2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方

2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方

 

 

動画と重複する内容にはなるが、どちらも読み込むことで、より深い知識になったと思う。特に動画は、運転したり、ご飯食べたり、皿洗いしたりしながら、計10回は視聴した。

 

藤野さんはビジネスパーソンのテクノロジーリテラシーの底上げをすることを使命として生きている。現代社会の組織でよくあるのが、テクノロジーリテラシーの格差があり、それが組織の成長を妨げるということ。エンジニアと共通言語で会話ができるようになる必要があるし、新しいサービスを自分の言葉で説明する必要がある。

 

テクノロジーリテラシーは、理系文系とか関係なく、テクノロジーの進化に影響を受けない業界は1つもない。全ての人間に関係があるが、AIについては、ネガティブ記事が数多く見られる。それはただ恐怖を煽るほうがPVも発行部数も伸びるからなだけで事実と異なる記事もあると認識して、情報を取捨選択する必要がある。AIは人の仕事を奪うのではなく、AIは人間の能力を拡張させるためにあって、仕事を楽に、そして楽しくしてくれるものであると考えたほうがいい。テクノロジーは敵でも味方でもなく、僕たちの一部となる。
 
AIがこれだけ脚光を浴びるようになったのは、ディープラーニングを実装するようになってから。ディープラーニングを簡単に説明すると、機械が目を持ったということ。目を持つと圧倒的に情報量が増え、それによって脳が拡張していく。でも、現時点においてはなのかもしれないが、AIは学習したことしか分からない。だから、異常なまでにAIに恐怖を覚える必要はない。人間にさえ、人間の心が解明できないのに、コンピュータに解明できるわけがない。人間はひとつのことをやり続けると飽きるけど、AIは飽きないだろう。人間には飽きるという感覚があるから、やり方を改善する。AIには課題解決力はあったとしても、課題を定義したり、見つけ出すということは期待できない。
 
テクノロジーは生まれて5年から7年ほどで生活の当たり前になる。インターネットやスマホもだいたいがそのサイクルとなっている。ディープラーニングが生まれたのが2013年であり、そこを起点とすると本書のタイトルにある2020年という時期が算出される。このタイミングは日本においては東京五輪があることも非常に有効だ。いろんな企業がここに照準を合わせてくるのは間違いない。2020年にはAIが生活に入ってきていると予測されている。
 
20世紀は人間をロボット的にする時代だったが、これからはロボット的な働き方は、AIが代替してくれる。人間は、より人間らしい仕事をすることができ、それが人工知能時代の幸せな働き方となる。そうなれば、テクノロジーの知見を広めることも大事だけど、人間とは何かということも知る必要がある。これは個人に置き換えれば、未来はどうなるか分からないけど、今のタイミングで間違いなく必要なのは、自分の考え方やあり方を見つめ直すこと。ネットの中にあるものは全てAIに置き換わる。
 
人とは何か、何のために生きているのかを考える。それが人間に残された仕事であり喜び。これからは形や論理のないものに意味が出てくるし、物質的なものではなく、満たされた心を求める精神性の時代になっていき、世の中は人間の幸せは何かを考える方向になる。
 
だから、テクノロジーと触れながら、テクノロジーと離れて生きるという相反する動きをしながら、バランスをとることが大事になってくる。
 
藤野さんが伝えてくれたことは非常に大きな意味がある。自分自身というよりも、それを知ったうえで、子どもとどう接するかや、何を伝えるべきなのかの多くのヒントをもらうことができた。2020年まで、あと3年。たった3年。これから急速にAIが僕たちの生活の中に入ってくる。楽しみでありながら、見えない未来に不安もあるが、テクノロジーはこれまでも僕たちの生活を豊かにしてくれた。きっと、これからの生活も豊かになるんだと思うけど、どういうマインドセットで接するのかが重要だと感じる。

世界トップエリートの行動を変える「スタンフォードでいちばん人気の授業」

最近は個人的に落合陽一さんにハマっているところがあり、先日のLive picsで明確な質問内容は覚えていないが、これからの時代を生き抜くためには、何をするのが最善策みたいな質問をされていたとき「そんなん、とりあえずスタンフォード行っとけばいい」みたいな話があった。

 

それまでは、そこまでその名前を意識したことはなかったが、それ以降いろんなところで目に入るようになって、この本に出会った。

スタンフォードでいちばん人気の授業

スタンフォードでいちばん人気の授業

 

 

スタンフォード大学は、グーグル、ヤフー、ペイパル、ネットフリックス、ナイキなどの創業者を排出してきた大学として有名だ。これほどの人材を育てた大学だが、そのバックボーンは、最先端のビジネスやトレンドを世界のどこよりも早く教えているからだというわけではないという。

 

スタンフォードで学ぶことの中心は、驚くほど人間的で、普遍的なこと。何よりも「自分を知る」「人間を知る」ということに焦点が置かれ、持続的に価値を生み出していく理論、フレームワークや、リーダーとしてふさわしい人間になるための基本を教えている。

 

実際に著者である佐藤知恵さんも言っておられましたが、ここ日本では普通に実践していることも数多くあった。その背景としては、日本人には、世界でも稀にみる慈愛に満ちた思いやりがベースとして備わっているということがある。

 

でも、日本の教育システムの中では、画一的なクオリティを量産するシステムであったため、個人ということはあまり尊重されず、現代社会においては、そこが大きく世界に遅れをとる理由になっている。

 

スタンフォードの入試では「あなたにとって大切なことは何ですか。そして、その理由は何ですか。」というテーマの課題作文を提出しなければならなく、入学以降も「あなたにとって大切なことは何ですか」と問いかけられているような日々を送るよう。人生の限られた時間をどう最大限に生かすのですか、情熱を傾きかけられる仕事や自分にしかできない仕事は何ですか、と語りかけられる。結果として、自分の夢を語ることができ、何かを変えたいという意欲を持つ人材へと成長することができる。

 

これは子育てにおいても非常に重要なことだ。どうなりたいのかのビジョン、そして、なぜそうなりたいのかを日々コミュニケーションすることは大きな意味を持つ。

 

本書ではストーリー、マーケティングイノベーション、社内政治、リーダーシップ、コミュニケーション、交渉術、会話術、そしてマインドフルネスについて、スタンフォード大学の教授の話を中心に描かれている。範囲が幅広いため、それぞれが詳細に記載されいるわけではないが、触りを学ぶには非常に有効だと思う。

 

最後は、このようなことをメッセージしていた。

 

自分の努力次第で、人間はいくつになっても自分を変えられることができるし、ITの進化によって、人間を探求する手法も劇的に進化している時代に生きている。そして、スタンフォード大学でも熱心に研究されいるコンパッション(=思いやり)がキーワードになっていく。

 
コンパッションは日本人が優位性に立てる要素だと思う。ビジネス上でも基本的には血の通った人間を相手にするわけで、人を思いやるということがない限り、成立しない。テクニカルなことばかりに気を取られることなく、原点を忘れないことでイノベーティブな人間に近づける。100年人生を生きるためにも、30代だからとか、年代に囚われることなく、自分を知り、自分の時間をどう生かすのかを考えて、子どもと向き合いたい。
 

「革命のファンファーレ」西野亮廣さんが春日井に来るという奇跡

「革命のファンファーレ」の発売を10月5日に控えた西野亮廣さんが、春日井でトークライブをやられるそうです。こんな奇跡、最初で最後と思います。

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

 

 

どのような経緯があって開催に至ったのか気になるところがありますが、主催者である春日井青年会議所の方々に感謝です。

 

http://2017.kasugai-jc.com/data/2017_poupelle_ura.pdf

 

今回の西野さんのトークライブのタイトルは『道なき道の歩き方』。

 

キングコングの西野が来るというマインドで見にいくと、いい意味で裏切られる。まさにタイトル通りの世の中。今までこれがロールモデルだよ、と教育されてきたことが、実は現代社会においては、なんの意味もなくて、それでは生き抜くことはできないことあったということを感じるようになってきた。ひと昔前にあった道なんかない。

 

西野亮廣さんは、テレビでしか生きていけない体質を変えようと思って、いろんなチャレンジをして、いろんな既成概念を破壊している。

 

僕たちの世代は高度成長期終盤に育ち、特に既成概念をうまく植え付けられた世代だと思う。かなり強めの洗脳を喰らっている。既にあるやり方があって、それを提示され、それを実行すると評価される。逆に、本質的には正しいことであっても、違うやり方をすれば否定をされる。このような画一的な教育で生きてきたけど、最近は何かデジタルを中心とする大きなうねりのなかで、今までと同じやり方では、生きていくことは難しいんじゃないかと日々感じるようになった。本人たちは感じれているかは別として、子どもたちの世代はもっとそうなんだろう。

 

だから、余計に、既成概念を破壊する人間こそが、現代社会を生きるイノベーターなんだと感じるようになり、西野亮廣さんのような生き方に惹きつけられる。

 

僕の身近なところにも、既成概念を破壊している魅力的な人間がいる。

 

ライトニングファイヤー

https://tabelog.com/aichi/A2303/A230301/23054694/

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トークライブ会場から車で5分ぐらいのラーメン屋。プロレスの技でもなく、戦闘機でもなく、ラーメン屋。自分の人生を賭けた店を「ライトニングファイヤー」と名付け、このようなプロモーションをする。

 

ラーメンという概念も、飲食という概念も、これまで正とされてきた概念を破壊している。右が正解と世の中が言っているのに、左に行ってしまっている。でも、誰かのハートには突き刺しにいっていることは伝わってくる。作ったものを上から目線で売りつけるということはせず、顧客とコミュニケーションをとるということも強く意識している。

 

ロイヤルカスタマーに対しては、こういったメッセージを発信する。

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目的、ターゲットははっきりしていて、ラーメン屋という枠ではなく、この街を支えるひとたちを支えるというのが彼らの明確な事業ドメイン西野亮廣さんが言われる’芸人’という定義に入る人種だと思う。

 

 

僕たち子育て世代も、いま属している会社でしか生きていけない体質を変えるべきだと思う。僕たちのレベルで言えば、それは体質ではなく、まずはマインドセットかもしれない。

 

働くことは苦しいことなんだ、働くことは楽しさを追求するものじゃない、お金を稼がなければならないと自分のなかで思い込ませ、脳を麻痺させている。それを世の中のせいだとか、家族を養うためだとか、自分以外のせいにして、思考停止している人もいる。

 

でも、どんな職種であれ、それを選んだのは他でもない自分だ。会社員であろうが、個人事業主であろうが、世襲であろうが、なんだろうが、きっかけは外部かもしれないが、決めたのは自分だ。そこを忘れてはいけない。いつでも抜け出せる。

 

9月22日のトークライブが楽しみでしかたない。

 

僕は2人の子どもを育てていて、小学2年生の女の子と一緒に参加する予定でいます。

 

恐らく、このイベント以降、西野亮廣さんが春日井に来ることはないと思う。売り方を追求されている方なので、今後出版されるイベントが近くの自治体で開催されることがあっても、春日井には来ないと思う。

 

西野さんの本や記事など読み漁っているので、初めて聞ける話をすごく少ないと思うけど、リアルな空間を通して感じれることはめちゃめちゃあると思う。子どもにとっても、これがターニングポイントのひとつになると僕も嬉しい。

 

チケットまだの方はこちらで購入できますよ。

ticketpay.jp

 

発売が超楽しみ。

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

 

 

行く前に読んどいたほうがいい。

魔法のコンパス 道なき道の歩き方

魔法のコンパス 道なき道の歩き方

 

 

本を読むのが苦手だったら、Podcastにある茂木さんの番組の対談がオススメです。Podcast内で「西野亮廣」と検索 すればすぐに出ます。

Dream HEART

Dream HEART

 

Abemaユーザーだったら「徹の部屋」のこの回も是非。

abema.tv

”現代の魔法使い”落合陽一さんに学ぶ「超AI時代の生存戦略」

最近は、本を読む以外にも、動画を使って知見を広めるようにしています。仕事柄、営業車での移動時間も長い。通販枠だらけのくだらないラジオを聞いているよりは、音声だけでも動画を流していたほうが、自分の未来を作るためには非常に有効だと思うので、最近は、「グロービス知見録」と、「高城未来ラジオ」と、こちらをよくチェックしてます。

 

jstweb.houdoukyoku.jp

 

運営はNewsPicsです。

newspicks.com

 

NewsPicksユーザーなら、ご存知だとは思いますが、平日月曜〜木曜(祝日除く)の22:00からリアルタイム動画配信されているLivePicsには、先ほどののURLにアーカイブがあるので、そこでいつでもどこでも視聴することができる。

 

その中で、木曜レギュラーとなっている落合陽一さんは、特に異彩を放っており、人間的にどんどん興味が湧いていきました。細かな経歴などは、適当に検索していただければと思います。

 

そこで今回はこちらを読みました。

超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト

超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト

 

 

本書は副題にある通り、2040年代に迎えることになると言われているシンギュラリティに備えるための方法が説いてある。

 

今の時点でシンギュラリティという言葉を知らないのは、これからの時代を生き抜くうえでは、すでに周回遅れになっている可能性があると思う。そんなこと知ってても、知らなくても、知っているうえで何も動かないのであれば、両者とも違いはそんなにないと思うが、子育てをする今、まずは知ることが必要だと思っている。

 

今、AIに関しての情報は、その関連記事を見ない日はないんじゃないと思うほど溢れている。その情報の多くは、今ある職種のほとんどがAIに奪われるということを中心に、不安を煽るようなものがほとんど。そこでよく言われる結論は、人は人間にしかできないクリエイティブなことをしていけばいい、ということ。落合さんは、これは単なる思考停止なだけで、妄想であると言う。そもそも、その風潮は、クリエティブという曖昧なワードで誤魔化し、結局、何をしたら良いのか分からないということと同義だ。

 

AIには問題解決能力はあっても、問題を見つけることはできないとも言われたりするが、それもディープラーニングが進化すれば、対応できるんだろう。本当かどうかは微妙な気もするが、Facebookが開発したAIが、人間の知らない言語で、AI同士が会話を始めたため、緊急停止をしたなんてニュースがあった。恐らく、僕らの想像の域は確実に飛び越えてくるんだろう。

 

確かに、職を奪われ、職を失うひともいる。それは自分も含めて。ただ、この現象はAIが出てきて初めて起こることではなく、これまでも起きてきたことであって、テクノロジーの変化のなかでは、これまでも見てきた光景だ。個別産業で起こる技術革新を僕たちは歓迎し、受け入れて、変化してきた。いつまでも続く産業なんて、ほとんど無い。時代のニーズや、トレンドによって、求めれられるものや、人にお金を払ってでもやって欲しいことは変わって当然。キッザニアで、働くことでその対価をもらうという仕組みは学べると思うが、そもそも、子どもたちが大人になった時に、その職業がどれほど残っているのか分からない。

 

著名なビジネスパーソンを生み出すスタンフォード大学でも、最先端のビジネスを世界のどこよりも早く教えているのではなく、人間力を鍛えるための授業が中心と言われている。本書には、その他気になる勉強になるワードが数多くあった。ただ、言っていることのベースは、全く聞いたことの無い考え方というわけではなくて、非常に普遍的なことであり、哲学的であった。そこには、自分の信念というのが強くあって、それに向かって突き進んでいる前掛かり過剰な部分は感じた。

 

これだけ未来が見えている落合さんだから「10年後を見据えて、何をやるのが一番いいですか?」と聞かれることが多いようだが、これだけ未来が見えている落合さんをもってしても、なのか、それゆえなのか、このように答えるそうです。

 

「未来はどうなるか分からない。いまできることを精一杯やること。」

 

 

得体の知れないAIに不安を募らせ、未来を憂い、思考停止するのはやめよう。

 

自分の道を信じ、それによって何が残るのかを意識する。他人はどうだっていい。自分の決めた道で、自分の決めたコミュニティのなかでのブルーオーシャンを見つけたい。 

 

 

 

 

「ROEって何?」とは思わなかったけど、経営指標の教科書でお勉強

頭の中で、引っかかっているものが変わると、目に映るものの中で、光ってくるポイントが全然変わります。これは1ヶ月前ほどに出会った本。

 

図解 「ROEって何?」という人のための経営指標の教科書

図解 「ROEって何?」という人のための経営指標の教科書

 

 

今年の初めから中小企業診断士資格取得に向けて、勉強を始めている自分は、ある程度教科を絞っており、そのなかに財務会計というものがあり、教材を通じて勉強をしていると、時々、退屈さを感じることがあった。ある程度の理解を得たところで、更に知識を進化させるために、違う側面から、スムーズに理解をしたいと思っていたタイミングであったため、この本の言っていることの半分ぐらいは頭に入っていった。

 

ただ、本書は恐らく、何も知識がない人向けだと思うが、そのような人は苦労するんじゃないかと思う。知識深度が深くなく、ある程度のリテラシーがあったほうが適当な本だと感じた。

 

帯にあるように「課長になったら知らないとヤバい」というコピーは、実感するところでもある。課長と言っても、いろんな業態や課もあるわけで、必ずしも知らないといけないわけではないが、自分の会社においては、ROEという言葉が何?という前に、ROEのことは知らないけど、それを知らないとヤバイかも?と感じる管理職は非常に少ないと思う。恐らく、課長レベルではなく、部長や、それ以上の役職者もそうなんじゃないかと感じることがある。実際はどうかは分からないが、言動からはそう感じざるを得ない。

 

とにかく、自分としては、そのような低次元の役職上級者がいることがモチベーションを上げている。

 

 

自分はこれまで営業職として、センスだけでここまで来たと思っている。でも、圧倒的なカリスマ性があったわけではない。自分の業態での営業職は、その数字がどれほど個人の影響があっての数字なのかを計るのが非常に難しい。個人的には、その数字は自分でなければキープすることはできないと自負しているが、会社にはそれをあまり感じてもらえていないし、いくら数字が見えても、伝えようとしても、それを立証することができない。つまり、感覚でしかない。だから勝てない。そんな背景もあって、資格取得ということをひとつの手段として、自分のプレゼンス向上戦略として取り入れている。

 

旧態依然とした年功序列型の組織のなかでは、歳を取っていないと昇進できないし、逆に歳を取っているだけで昇進していくことができる。でも、この体質を続ければ、今はいくらROEROAが高かったとしても、弱体化するのは目に見えているし、将来性はない。

 

自分たちのような子育て世代は、いま会社の経営や管理職となっている側の人たちと同じプロセスを踏んだとしても、同じ結果は得られない。

 

人間は、自分が認めていない人間が評価されているのを見るとモチベーションが下がるのが通常だ。でも、それは先程言ったように、結果的には、外から見れば、その人間よりも自分が下であるということ。それを、そんなことはない、と口で言っているだけでは何も変わらない。それを受け入れ、どうしたら差別化できるのかを考えて行動しなければならない。そして、組織のなかで唯一無二の存在となって、希少性を出していけば、必ずポジティブな方向へ行くはず。

 

そうならなければ、その時に今の会社を卒業しよう。

 

竹中平蔵さんに学ぶ、日本経済を変える「第4次産業革命」

藤原和博さんの動画を検索していたときに、GLOBIS知見録の存在を知りました。

 

globis.jp

 

このサイト内には、ベンチャー企業の社長から、マーケター、政治家、アスリート、アーティスト、研究者、学者など、数多くの枠に捉われない職種の著名人によるセッションがアップされており、現代社会における課題やトレンドなどを学べる非常に内容の濃いものとなっています。関東圏では機会があるかもしれませんが、名古屋など地方ではなかなかお目にかかれない方々の貴重なお話を無料で聴くことができます。カテゴリーも多様性があり、自分の知見を広げるには非常に有効なツールです。

 

その数あるセッションのなかで、たびたび竹中平蔵さんが登場されてました。当たり前と言えばそうなのですが、私のような認知力の低い人間にでも、分かりやすいロジカルなプレゼンテーションで、非常に高いインテリジェンスを感じることが多かったため、今回はこちらの本を読んだ。 

 

現代社会、あるいは、この先の社会がどうなっていくのか、第4次産業革命によって何が起きるのかを説いています。話題としては、AI、ロボット、IoT、ビッグデータシェリングエコノミーなどが中心で、最近のトレンドに関する情報が網羅されており、日頃このようなことに興味を持っていないひとの入門書的な位置づけに感じました。このような本は、我々子育て世代が特に読むべきであり、知識として頭にインプットして、子どもたちと接する必要があると個人的には感じる。

 

新しいテクノロジーによって、今までになかった新しいチャンスが生まれている。革命的な時代がやってきたという時代認識をもち、幅広く議論し、大胆に行動することが必要。超スマート社会の実現に向け、ソサイエティ5.0が強力に推進されいるが、ライドシェアについては、中国にさえ遅れを取っている。日本ではタクシー業界をはじめとして、ライドシェアに対しての抵抗勢力が強く、経済特区である福岡市でのみテスト運用されているという状況。
 
モノがインターネットにつながるIoT。そして、そのデジタルなネットワークで得られるビッグデータによって可能になったシェアリングエコノミーは、これからの私たちの社会生活を大きく変えるし、職業のあり方も決定的に変えて行く。これ以上、周回遅れになってしまってはいけない。
 
 
産業の生まれ変わりは、社会インフラの入れ替えとも言える。ウーバーもAirbnbソーシャルネットワーキング業であって、主役は製造業などこれまであったような業態ではなく、日本の第4次産業革命の新しい動きを既存の業に当てはめることはできない。
 
トヨタのライバルはグーグル、パナソニックのライバルもグーグル、どの企業にとってもライバルはグーグル。様々な職業は必要なくなっていき、失業率が大幅に高くなるという影も潜んでいる可能性は否めない。新たな技術によって仕事がなくなり、さらには海外労働者の流入などのグローバリゼーションの進展によって、絶望感を抱くひとたちが生まれる。すると、このような人たちを守ろうというスタンスを見せる政治家が現れる。これがポピュリズムであり、トランプ政権の誕生や、イギリスのEU離脱などが主な例と言える。
 
 
そろそろ日本人は、高度成長期での成功体験から逃れるタイミングであり、それができなければ世界で取り残される存在となってしまう。第4次産業革命は社会の根本を変える。日本企業は、何でも言うことを聞く偏差値が高い人を雇い、社長の周りは子分ばかりで、そうした人たちが取締役として取締役会を構成し、社長にとって居心地のいい組織になっていることが多い。成長戦略にはコーポレートガバナンスが必要不可欠であるが、それが保たれていない企業が多くみられる。日本の生産性の低さは、規制で守られているケースが多く、また、不動産がノーリスクハイリターンであったことから、日本で投資が根付かず、それが成長を妨げる要因の一つとなっている。
 
これからはゴーイングコンサーンよりもプロジェクトベースで人材確保がなされる。日本型雇用慣行、つまり、年功序列や終身雇用は終焉を迎える。第4次産業革命で、人材のシェアリングが当たり前になる。終身雇用で、同じ会社で長く働けるから安定しているということは、ダメな会社にしかいられないということだ。インダストリー4.0を掲げるドイツは国内の構造改革を行った。日本の成長戦略は、体質改善までに何年もかかる。
 
第4次産業革命以降のこれからの時代を生き抜くために必要なマインドセットが3つ挙げられていた。これはマサチューセッツ工科大学のメディアラボで掲げられている9つ標語のなかの特に参考になるもので、子どもと接するときにも、意識しておきたいマインドセットだ。
 
Compasses over maps
もう、古い人生の地図は使えなくなる。これからは、コンパスを持っているか、あるいは、自分は何がやりたいか希望や意思があることが重要。
 
Resilience over strength
強さよりも復元力。どんなに強いものでもの崩れていく。その時に、どのように復元していくことができるか。
 
Learning over education
知識を詰め込むお勉強ではなく、自分で考えて学ぶこと。知識はインターネットでいくらでも手に入れることができる。大切なのは実際に経験しながら学ぶこと。
 
 
世界でもっとも守られているのは日本の正社員。雇用の安定と引き換えに、不満な仕事を続けている人が大勢いる。ライフスタイルやライフステージによって働き方は変わるはずなのに、正社員として働くことだけが正しいという暗黙のルールが生きており、それが国際社会においては歪な存在となっていることに気づく必要がある。
 
チャンスで満ち溢れているはずなのに、みんなと同じでなければならない、枠をはみ出してはならないという、義務教育のなかでインストールされたこの画一的な意識を変えなければ、AIに取って変わられる人材になってしまうという子育て世代にとっては非常に意味のある、重要なメッセージを強く感じた。

 

 

 

 

ストレスを感じながらも、また、前へ進もうというマインドセットに導いてくれるリーダーに感謝

本日も会議でストレスに感じることがあり、自分がその立場になった時に、部下に同じような思いをさせたくないので、今日の気持ちをここに書き留める。

 

 

こういうリーダーが嫌いだ。

 

 

戦術を提示しないリーダー。

 

 

あるリーダーは、こう言う。

 

「これからは、紙のプロモーションメディアが減るから、AIとかロボティクスなどのデジタル技術の力を借りて、10年先を見据えて営業していかなければならない。」

 

これ自体については、どこも否定する点はない。紛れもない事実だ。紙は減っているし、デジタルは想像を超えるスピードで進化している。

 

では、その言っていることに対する戦術は?

 

それが一向に出てこない。

 

で、実際にどれほど紙のプロモーションメディアが減っているのか知っているのか?

 

あの回答は、恐らく知らなかったんだろう。

 

時代の先を行く人ほど、10年も先は見えないと言うなか、一般的な教養もない、業界誌さえも、自己啓発本も読まない人が言えることではない。

 

 

違うあるリーダーは、こう言う。

 

「営業なんだから、数字達成して、当たり前でしょ」

 

これは100%とは言わないが、ごく普通のことを言っている。

 

ただ、それの一点張りというのは組織の長としては、非常に問題がある。

 

マインド的な問題提起でしかなく、なんの解決にもなってない。

 

そもそも数字を達成していないということは、有能な人間ではない可能性が高い。その人間に対して、がんばれと言っているだけで、どんな効果があるんだろう。本質的な問題と向き合っていない。

 

 

 

リーダーは、自らが模範となり、進むべき道を部下たちに見せる必要がある。

 

管理職という言葉に逃げている。もしかしたら、数字を管理することだけが、与えられたポストの責任だと思っているのかもしれない。

 

数字を管理するだけの仕事が、なぜ、現場で頭を使って動く人間たちの倍以上のインセンティブを手にすることができるのか。

 

有能な人間と無能な人間を束ね、その力を最大限に発揮し、目的達成に導くのが、リーダーであるはず。

 

 

そんな会社があるのかと思われるかもしれないが、自分が所属する組織は、旧態然とした、高度成長期のスタンダードである年功序列が色濃く残る伝統のある会社だ。

 

業界自体の景気が下落しているなか、このような人種で構成されている組織では、今後、持続可能な企業体であるとは、到底思えない。

 

 

このような心理状況は今に始まったことではない。

 

以前はこのようなことが起きると、ただただ、文句だけを言っていた。

 

だったら、辞めればいい。文句を言うだけのなら、さっさと辞めればいいだけ。

 

遅いタイミングではあったが、自分のなかでも対案を持つべきだというマインドセットになり、今は、文句は言いながらも、辞めるということへの対案を持てるように準備をしている。

 

今日も、 ストレスを感じながらも、また、前へ進もうというマインドセットに導いてくれた無能なリーダーに感謝したい。

 

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戦略も、戦術もないリーダーは、1周回って、好きだ。

 

戦略だけを言って偉そうにするなら、いっそのこと、戦略もないほうが、いいリーダーだ。

 

なぜなら、有能な人間にとって、ストロングポイントを伸ばす環境が整うからだ。