勝川STAND

勝川STANDは、個人事業主様・フリーランス・小規模店舗経営者様に、無料ツールを使って、撮影から制作までリーズナブルにクリエイティブを提供します。

仲暁子さんに学ぶ『ミレニアル起業家の新モノづくり論』

 最近は自分自身が、転職というワードが自分事されてきたため、日常で目にし、「Wantedlly」は頭に刷り込まれていた。

 

www.wantedly.com

 

そのため、書店で本書を目にしたとき、興味関心が湧き、ウォンテッドリー株式会社代表取締役CEOの仲暁子さんのこちらの書籍を読んだ。

ミレニアル起業家の 新モノづくり論 (光文社新書)

ミレニアル起業家の 新モノづくり論 (光文社新書)

 

 

やはりコンサルティングファーム出身の人種は強いという印象。仲暁子さんも同じく、ゴールドマンサックス出身で、その後はフェイスブックで学び、「Wantedly」を起業した。

 

自分はギリギリ1980年生まれなので、ミレニアルと言っていいのか微妙ではあるが、そのギリギリであるが故に、アナログとデジタルのハイブリッドであることが、これからの超デジタル社会を生きる意味で、優位性もあると思っている。

 

日本経済は、ミレニアル世代を捉えきれていない。それは、シニア層のほうがマーケットが大きく、さらにはこれからもスケールしていくことが濃厚であることが要因だとは思うが、ミレニアル世代の価値観を理解し、その層にフィットした事業作りが必要。ミレニアル世代は、何が広告で、何が広告じゃないかを判断して、広告は無視する。
 
個人的にも、いま37歳であり、今後はシニア層に近づいていくことを考えると、いろいろなサービスがシニア層に向いていくことはメリットがあることであるが、多くの企業がそうなってしまうと、非常に面白みがない社会になるとも思う。先日、友人と話をしたときも、企業であれ、自治体であれ、シニアに寄ることは至極当然だろと言われたが、当たり前かもしれないし、生きていくためには必要かもしれないけど、お金になるからというスタートでは、それはウィルではないから、続けていくうちに、続けることが苦しくなるんじゃないかと思ったりする。
 
これだけデジタルな潮流がありながら、最先端のビジネスにおいても、結局最後は人の繋がりが必要不可欠。こんな時代だからこそと言うべきかもしれない。現代社会においては、その深度は置いとくとして、簡単に、誰とでも繋がることができる。人の顔が見えなくたって、その表情が分からなくたって。人間は、電話によって視覚のないコミュニケーションを手に入れ、メールによって聴覚のないコミュニケーションを手に入れ、現在に至っては、LINEで文字すらも必要のないスタンプというコミュニケーションも手に入れた。繋がっているということなのか、繋がっているように見えるだけなのかは分からないが、繋がるということは有効だ。人は社会的な生き物で、他者との関わりが心の安定の全てになっていて、ポリシーやライフスタイルを共有する擬似共同体である消費トライブに入りたがる。マークはトライブの旗印であり、同じ価値観を共有している帰属意識の現れと言える。
 
生理的安全の欲求が満たされない状況では、何のためになんてことは考えなくて済んだが、大量生産大量消費に飽きた消費者が、自分のストーリーを追い求めるようになってきた。これからの評価ポイントは、自分の生活をどう彩ってくれるのか。自分の人生がどう変わるのかのストーリーに共感できれば、プレミアムは払う。消費者の生活デザインを行い、消費者の属する消費トライブに合致するものを届けるために、技術だけでは消費者の心は掴めないことを理解し、ストーリー構築能力やストーリーテリング能力などの表現力を高めることが重要だ。これからは最大多数ではなく最大少数の最大幸福を追い求めることが企業としては必要になる。網をかけるのではなく、素潜りで深く突き刺す。
 
人間とサルを分けたのは、抽象概念である。抽象化自体が、脳にとっての刺激であり、報酬 。人間は物事をパターン認識し、物事をそれに当てはめて判断してしまう生き物。
パターン認識は人間の強みであり、究極の弱みである。そのパターン化から人を自由にしてくれるのが宗教であるが、自分にとって快適であるという状態が美学であり、それが幸せな状態と言える。
 
絶対なんてないことを感覚的に理解して、自分一人で何ができるかよりも、多くの人を動かすことができるかが必要。自分にとって何が大切か分かっていて、それを実行する人生を歩んでいるか。年収が向上しても幸福指数は上がらない。自分の美学を把握し、それが実現する環境に身を置く。ラベルで仕事を選ぶのではなく、どんな状態を達成できるかで選ぶ。努力しないと、真剣に生きられない。自分の人生に責任を持つということは、自分にとっての爽快さを真剣に考えること。
 
言葉は誰でも話せるわけではなく、言葉を磨くにはたくさんのパターンを頭にインプットするしかない。常に新しいナレッジをキャッチアップし、アウトプットに変換することを習慣づけることが、この下りエスカレーターの時代を生き抜く術。面白いと思える仕事を選べるパワーを得るために、ナレッジの集積で社会的信用力のあるパスとなる資格を持つことも、選択肢のひとつ。
 
ここ最近、日本のGDPについて悲観的に見られることが多くあるが、実は幸福感は向上しているというデータがある。これは凄く良いことだと思う。貨幣経済という時代が終わりに近づいているということなのかもしれない。そうなると、子育てにおいても、仲暁子さんの言われる自分が何をやりたいのか、何が美学なのかということを持つことが大きな意味を成してくる。子どもにも、ウィルを持つことの必要性を伝えていきたい。

西野亮廣さんの『革命のファンファーレ』で現代のお金と広告について学ぶ

 ついに、発売となった。

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

 

 

最近、西野亮廣さんに、どハマりしている。

 

きっかけは、藤原和博さんからだった。

 

toyokeizai.net

toyokeizai.net

 

今でさえ、そんなイメージは自分のなかではなくなったが、これまでテレビを中心とする大衆メディアにおける西野亮廣さんの情報操作は、偏りがありすぎる。これまでの枠のなかで判断して、変人扱いして、異常者扱いして、お前はおかしいとある種いじめのような表現で集中砲火を浴びせていた。すると、僕のような一般人は、この人ってそうなんだと思ってしまう。大人は、子どもにいじめはダメだと言いながら、大人は大人を平気でいじめる。それもテレビという全国に発信できるツールを使って堂々と。

 

先ほどの記事を始めとする物事をフラットに視ることができるメディアを通すことで、西野亮廣さんこそが現代を生き抜くロールモデルのひとつであることを感じるようになってきた。

 

WEBも気をつける必要はもちろんあるが、テレビは信憑性は疑うべきものであると再認識する。信じられない。瞬間的に、おもしろおかしくすることが美学である人間が多く、本質的なことを伝えようとしていない。それが、収益に繋がるというビジネスモデルであるから仕方がないが、もうこれからの時代は無理だ。

 

先ほどの記事をきっかけに、西野亮廣さんが発信している情報を、能動的に見に行くようになった。

 

Dream HEART

Dream HEART

 

この番組での対談で、完全に虜になり、まずこちらを読んだ。 

魔法のコンパス 道なき道の歩き方

魔法のコンパス 道なき道の歩き方

 

 

そこから、YouTubeで勉強した。

 

www.youtube.com

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ここまで行くと「革命のファンファーレ」に書いてあることのほとんどが聞いたことがある内容となってしまう。それは買う前から何となくそうかもと感じていた。でも、買う。発売日に買う。

 

本は売れない時代だと、ほとんどの人が言う。幻冬舎社長の見城さんも言われている。でも、西野さんは売れると言い切っていた。売ろうとすれば売れると。販売の育児放棄はしたくないという表現をされていたが、本を書くだけ書いて、販売は出版社に任せるというのは確かにおかしいと言えばおかしい。でも、それが普通だし、当たり前だ。そもそも出版業界は、大昔に作られた仕組みがそのまま現代も流通していて、時代の先駆者に言わせれば、やり方が悪いという点は数多くあるのだろう。実際、堀江貴文さんも言われていた。旧態依然としている業界であればあるほど、現代社会では斜陽産業と言われれば言われるほど、社会が変化しているのに、かつて決まったやり方を顧客に押し付け続け、顧客目線で流通を構築し直すということができていない。つまり、チャンスが往々にしてあるということだ。 

 

発売直前に、『革命のファンファーレ』の帯のコメントを担当したメンバーが集まる特番がAbemaTVで放送されていた。

abema.tv

 

豪華すぎるメンバー。でも、そのなかでも、一番響いた言葉は、幻冬舎の編集者である箕輪さんの言葉だった。あのメンバーの中でも普通に対応ができる人間なので、スペシャルであることは間違いないが、自分と同じサラリーマンであるということも間違いない。そんな箕輪さんは、社長である見城さんがいる前で、恐れおののくことなく副業の話をされていた。中身は、自分で運営するオンラインサロンであったり、タイムバンクであったり、現代社会に新たに生まれた信用をお金にする装置をうまく使った話ばかり。なぜそんなことをするのかという見城さんの問いに対して、現代社会を生きているのに、このような仕組みを使わないほうが逆にクレイジーだというような話をしていた。確かにそうだ。大きい小さいはあるが、必ず自分の強みはある。昔は、そのような強みを使う場面は、属している組織でしかなかったが、今は違うし、東京オリパラまでには、副業に関する社会のとらえ方も必ず変わっているはず。

 

西野亮廣さんが好きなひとは、この本は読む必要はないと思う。逆に、西野亮廣さんが嫌いなひとこそが読むべき本であると思う。子育てしているひともマストだと思う。近々、新しい仮想通貨をローンチしたり、信用経済に関する本の出版を控えているような話を聞いた。引き続き、西野亮廣さんをベンチマークしていこう。

 

『ポスト2020の都市づくり』でイノベーティブなまちづくりを学ぶ

最近、地域貢献という文脈に対して、能動的な自分がいる。

 

なぜ、そうなったのか。今年、38歳を迎えるが、子どもも大きくなり、ここが終の住処となることが想像できるようになってきたことが一つの要因であると思うが、それだけなのか、それ以外に何か違う要因があるからなのか、自分でも分からない。同じファクターを持つ人間は、ある一定数はいるはずだが、自分のように地域貢献ということに対して、興味関心を持つ人間は、会話をしていても、そうはいない。それが良い悪いということではないが、何がそのモチベーションを左右しているのだろうか。

 

ポスト2020の都市づくり

ポスト2020の都市づくり

  • 作者: 井口典夫,中村伊知哉,芹沢高志,玉置泰紀,小林洋志,保井美樹,松岡一久,一般社団法人国際文化都市整備機構(FIACS)
  • 出版社/メーカー: 学芸出版社
  • 発売日: 2017/06/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

 

帯には「ソフトパワーによるイノベーティブなまちづくりへ」とある。自分の住むまちは、人口約30万人という決して大きい街はではなく、イノベーティブという言葉が嵌らないとも思えるが、全米で最も住みたい街と言われるポートランドも約60万人ほどであることを考えると、人口というスケールはあまり関係ない。これまでの時代背景も大きな影響を与えているとは思うが、市民が何を優先してモノを考えて、どれを行動に移すかなどの集中と選択のベクトルが一貫していることが、イノベーティブな都市づくりに影響している。

 

日本には、2020年に東京でのオリパラというビッグイベントがある。開催自体にいろんな是非があると思うが、そもそも、前回の東京での開催とは前提条件が全く違う。前回は、高度成長期を迎え、あらゆる投資が、今後の社会のなかで必要とされるものとして残り、更なる経済成長に必要不可欠であった。だが、今回は、オリパラ後、負のレガシーとして残る可能性が非常に高い。本書では、そのような時代背景などを鑑みた今後の都市づくりについて、7人のスペシャリストがそれぞれの視点から説いている。

 

現代社会は、考えることで生計を立てている人の割合は拡大している。

 

何を提供すれば良いか分かっている時代〔工業化経済〕から、何を提供すればよいかを考えなければならない時代〔クリエイティブ経済〕に突入し、脱工業化、ポスト物質主義を説明するうえで、創造都市とクリエイティブ資本論が強調されるようになってきた。ウォークマン以降、ここ日本ではクリエイティブなプロダクトが生まれていないことなど、日本人としては、クリエイティブという文脈に対して、自信が消失しているような統計が出ている。いわゆる、自己肯定感や自己効力感というのが非常に低いわけだが、アドビ集計の国際アンケート調査では、世界一クリエイティブな国は日本、クリエイティブな都市は東京という結果がある。つまり、創造的であると世界で認められながら、自身は創造的とは思っていないくて、強みを強みとして理解できておらず、結果的に機会損失に繋がっている。謙虚と言えば聞こえはいいが、自信を持てない国民性は、これから国境の持つ意味が薄れていくことを考えると、プレゼンス自体が薄れ、やがて本当に島国として取り残されてしまう。

 
高度成長期の中で、いつしか、他者の未来が自分の想像のなかに移植され、みんながたった一つの未来を夢見るようになり、想像力が萎縮してしまった。すると、可能性の幅が狭まり、動きの幅が小さくなり、予測した世界が出現しやすくなり、未来は動きを止めてしまう。

 

日本人は、クリエイティブであることを認識する。

 

10年前の統計なので、どこまで自信を持つべきかは何とも言えないが、おもしろい数字がある。世界のブログのうち36%が英語サイトで、その差僅か1%ながらも、37%で世界第1位なのが日本語サイトであった。英語を母国語している国は多数あるが、日本語を母国語としているのは、日本だけであり、世界トップレベルのアップロード社会であった。独特なポップカルチャーも影響力があり、浮世絵以上のインパクトがあると世界で評価されている。飲み放題食べ放題も日本独特なものであり、飲みながら食べる居酒屋スタイルも自由さの現れ。

 

 

どう考えても、これからは国境というものを意識しない世界がやってくる。そうなるといろんなことが自由化となり、既得権益だらけの日本独自のマーケットは変化し、僕たちのライフスタイルも影響を受ける。そのとき、日本人としてのアイデンティティを持ちながら、自分の住む街をどのようにリフトアップできるのか。

 

自分のできることなどは、大したことじゃない。でも、だから何もやらないというマインドセットでは、いい子育てができるとは思えない。自分がこのコミュニティでやれることは何か、やるべきことは何かという問いの答えを早く見つよう。

岡島悦子さんに学ぶ『40歳が社長になる日』

Live Picksを見て、岡島悦子さんへの興味が深まった。

 

www.houdoukyoku.jp

 

岡島悦子さんはベンチャー界のゴッドマザーと言われるほどの方で、グロービスのセッションにも何度も登壇されていて、どのセッションも非常に興味深い話で惹きつけられる。

 

先ほどのLive Picksに登場されたのは、こちらの書籍出版のプロモーションで、その内容を語られていた。

40歳が社長になる日 (NewsPicks Book)

40歳が社長になる日 (NewsPicks Book)

 

 

私自身は37歳であり、40歳目前であるが、決して社長になりたいというマインドの持ち主でない。でも、語られていることが、社長になりたい云々関係なく、ビジネスパーソン、子育て世代であれば、理解しておく必要があることが多かった。

 

なぜ、このようなタイトルになったのか。これは日常的にも感じることだが、デジタルを中心とするテクノロジーの進化は想像以上に早く、誰もが付いていくのに必死だ。そのなかでも、現時点の20代30代の、生まれて間もなくデジタルとともに成長をしてきたデジタルネイティブ世代は、比較的、進化の適応能力は高い。自分の子どもを見ていてもそうだが、テレビを指でスワイプしようとする世代の感覚は、高度成長期を戦ってきた世代とは全く違うものであることを強く感じる。それを当たり前と思う基準に大きな違いがある。

 

テクノロジーをドライバーにしてビジネスをつくる現代においては、デジタルへの理解がないと企業は生き残っていけない。だから、これからはデジタルネイティブである世代が、企業のトップに君臨する必要があり、実際に大企業のTop of Topでは次世代の後継者育成がこれまでよりも早い世代で人選が始まり、実行されている。2025年、日本の大企業にも40歳社長が多く誕生する。

 

社長にならずとも、ビジネスパーソンとして重要なのは、安定した会社で働くのではなく、いつでもどこでも自分で稼げる人になっておくということ。これから数年で大変な変化が起こるのは間違いないし、これまでのキャリアの考え方では乗り越えていくことはできない。
 
課題解決の深化をする持続的イノベーションが中心であった高度成長を終えた日本では、これまで構築してきたスキルが一瞬にして使い物にならなくなる日が突然やってくる。ひとつのビジネスモデルの寿命は20年を切り、固定概念を壊す破壊的イノベーションを中心とした非連続の成長が続く。長期の将来予測は不可能。何か強みを持つという事は非常に大事なことだが、それに固執していると危険だ。それが、今の会社にしがみついているということに繋がっていたら、なお危ない。富士フィルムのようなことは、どの業界、どの企業にも起こりうるということを理解して、いろんなタグを習得し、強みをひとつで終わらせることなく、キャリアのタグの掛け算による比較優位性の構築し、ポートフォリオワーカーになるということを意識する必要がある。
 
組織運営も非常に難しい時代になる。これも日常生活で感じることだが、人材の確保の難しさは年々高まっている。日本は構造的恒久的な労働供給不足の時代に入る。そうなると、ワークスタイルのイノベーションが実現できていない会社では、これから人を採用できなくなり、選ばれる会社でなければ存続が難しくなる。年功序列的な考え方は終焉を迎える。
 
 
連続成長の時代は、課題解決の時代であり、課題はある程度明確に設定できており、それをいかに速く効率的に解決するかの勝負だったが、これからは変化抽出力や変化応用力がどれだけ発揮できるのか、適切な課題設定ができるかどうかで差別化される。新しいことを吸収する素直さや、苦難に直面したとき、これは自分にしか超えられない試練であると考える力、既存の常識のバイアスを壊す視点を持ち、いろんな物事を面白いと思えるかどうかがポイントになってくる。
 

自分自身が100年時代を生きるためにも必要なことであり、そして、自分の子どもたちには、もっと必要なマインドセットだと思う。高度成長期を生き延びたひとたちが中心の学校教育ではこのようなことは知る得る機会は非常に少ないと思う。それゆえ、私たち子育て世代が、このようなビジネス書で哲学を学ぶことは本当に必要なこと。自分だけの常識や、世間一般の常識で子どもを育てることは非常に危険だ。真実を受け入れ、変化を楽しむという人間になって欲しい。

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"SHOWROOM"前田裕二さんに学ぶ『人生の勝算』

本を知った明確なきっかけは忘れてしまったが、基本的には西野亮廣さん経由だったと思う。その後、いろんなメディアで目にする機会があり、興味が深まっていった。

 

まず、こちらのセッションを見た。

globis.jp

 

これは、司会を務める楠本修二郎さんへの興味から、動画を見ることになり、前田裕二さん、中川悠介さんののお二人の話を楽しんで聞くことができました。

 

次に、こちらを視聴しました。

abema.tv

 

見ていただくと分かりますが、前田裕二さんは物腰がすごく柔らかい。起業家によくありそうな、自己啓示欲を感じなく、ニコニコしながら、しゃべり続けるという印象です。元バンドマンということからか、ビジュアル系バンドが好きそうなタイプの風貌で、特に見た目からも、起業家らしさは感じない。結局、仕事は見た目ではないということが改めて、前田裕二さんから感じることになりますが、半生が書き綴られたこの本で起業マインドや、ライブ配信サービスの未来について学んだ。

 

人生の勝算 (NewsPicks Book)

人生の勝算 (NewsPicks Book)

 
 
僕の場合、SHOWROOMというサービスを知る前に、前田裕二さんを知ることになった。
 
この本では、絆の大切さ、努力の大切さ、人生におけるコンパスを持つことの大切さを中心に書き綴られている。
 
現代社会における持続可能なビジネスのヒントは、スナックにあり、そこに絆の大切さを説明できる要素があると言っている。これはグロービスの動画内でも言われていた。当たり前の話と言えばそれだけだが、スナックには通常の飲食店にはない、また同業に近いようなキャバクラなどにもない、インタラクティブな要素がある。これを'余白'があるという言い方をしているが、つまり、スナックは完璧な世界ではなく、ママと顧客が一緒に店を運営しており、一方通行なコミュニケーションではなく、それが現代人が求めている欲求が満たされる場所になっているという。
 
通常のお店で店主が酔い潰れれば、ちゃんと仕事しろよとなって客が離れていくものだが、スナックであれば、基本的にはママの魅力があっての来店であるために、ママが酔いつぶれて対応ができなくなっても、お客の誰かが代理で対応する。みんなでこの店を運営しているという一体感が生まれ、それが絆となり、少数の顧客でも、持続可能となる。
 
濃い常連をつくり、コミュニケーション可能範囲に入ってきてもらう。常連をつくってコミュニティ形成するには、先ほどの余白の存在の他に、クローズ空間であることや、仮想敵を作ったり、秘密を共有したり、共通のベクトルを持たせることが必要不可欠。中途半端に編集されたコンテンツを作っても、人は感情移入しないし、他人の物語を消費することには疲れていて、自分の物語を消費したいのが現代人。世の中の人は、エンタメにインタラクションを求めている。完璧なコンテンツを提供して消費させるのは、情報の非対称性が存在する時代にのみ通用する。SHOWROOMが生まれたのは、このような思考からだ。
 
次は、努力の大切さについて。先ほど見た目について少し触れたが、その見た目からは想像がつかないほどの苦労をされている。幼少期における環境や、路上ライブでの試行錯誤、UBS証券でのトップセールスの実績を得るまでの過程、どれを取っても、目標達成のためのストイックさを感じる。先ほどのAbemaTVで議論になっていたが、本人からも異常な前掛りは感じる。
 
そういった努力を継続できるのは、その努力によって期待できる結果に対して、人生をかけてもいいというモチベーションが設計できているから。モチベーションが続かないのは、見極めが甘いということであり、方角を示すコンパスを持っていないから、途中でどこに向かっているのかわからなくなり、途方にくれる。信じ切れるというところまで見極め作業を徹底すれば、モチベーションは体から湧いてくる。まずは、コンパスを持つための努力が必要。自分は何を幸せだと定義し、どこへ向かっているのかという価値観の言語化し、自分のモチベーションの根源を知る作業を通じて、自分の内面をもっと深く見つめることができる。
 
僕たちは皆、死に向かって行きている。自分が人生をかけて、何をするのか、早く見極めなければならない。それが、子育てなのか、趣味の延長線なのか、ビジネスなのか。それはなんだっていいし、他人ががどう言おうが関係ない。自分が見極めて、それをやり切るモチベーションを設計する。選ぶということは、同時に何かを捨てるということ。人生の質を高めるのは、選択と集中。このタイミングを見誤らないように、自分が、今、どの方角へ行くべきかのコンパス持とう。

藤野貴教さんに学ぶ「2020年 人工知能時代 僕たちの幸せな働き方」

グロービス知見録でこの動画を見つけた。

globis.jp

 

AIが進化した時に、働き方はどう変わるのかについて語られた1時間半という尺の講義でしたが、プレゼンテーション能力に非常に長けておられる方で、あっという間に見終えるほど、充実した内容でした。
 
このような優良コンテンツを無料で見ることができると、逆に、どうすれば有料にすることができるのか、そのハードルの高さも同時に感じる。

 

心を惹きつけられたのは、この言葉でした。

 

成果が出ているのに、なぜか、心が乾く。

 

藤野さんは独立前に、人事コンサルティング会社を始めとする複数のベンチャーでゴリゴリ汗を流して、時間という枠には囚われず、身を削って働いた。働いて働いて、成果も出している。だけれども、なぜか、心が乾く。

 

レベル感や業務内容に違いはあるものの、自分自身もそういった20代を過ごした。課せられた目標に向かって突き進み、考え、実行し、ムチを叩かれ、飴をもらい、成果を出していた。でも、心が乾く。僕の場合のこの問題ははっきりしていた。全て上司にやらされていたからだ。自分で考えるというよりも、上司の考えがあって、そこに向かえばいいんだ、そこに向かえば成果が出るんだと。それがいつしか、そこに向かえば怒られずに済むんだみたいな考えになり、顔色を伺って働いていた。これでは心が満たされるはずがない。そこに自分がいないから。

 

藤野さんの会社名も、親近感を覚える。クリエイティブも、すごく気持ちいい。

www.hatarakigokochi.jp

 

先ほど紹介した動画は、こちらの書籍のリリース後にグロービス名古屋校で行われたセミナーであり、ダイジェスト的なもの。

2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方

2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方

 

 

動画と重複する内容にはなるが、どちらも読み込むことで、より深い知識になったと思う。特に動画は、運転したり、ご飯食べたり、皿洗いしたりしながら、計10回は視聴した。

 

藤野さんはビジネスパーソンのテクノロジーリテラシーの底上げをすることを使命として生きている。現代社会の組織でよくあるのが、テクノロジーリテラシーの格差があり、それが組織の成長を妨げるということ。エンジニアと共通言語で会話ができるようになる必要があるし、新しいサービスを自分の言葉で説明する必要がある。

 

テクノロジーリテラシーは、理系文系とか関係なく、テクノロジーの進化に影響を受けない業界は1つもない。全ての人間に関係があるが、AIについては、ネガティブ記事が数多く見られる。それはただ恐怖を煽るほうがPVも発行部数も伸びるからなだけで事実と異なる記事もあると認識して、情報を取捨選択する必要がある。AIは人の仕事を奪うのではなく、AIは人間の能力を拡張させるためにあって、仕事を楽に、そして楽しくしてくれるものであると考えたほうがいい。テクノロジーは敵でも味方でもなく、僕たちの一部となる。
 
AIがこれだけ脚光を浴びるようになったのは、ディープラーニングを実装するようになってから。ディープラーニングを簡単に説明すると、機械が目を持ったということ。目を持つと圧倒的に情報量が増え、それによって脳が拡張していく。でも、現時点においてはなのかもしれないが、AIは学習したことしか分からない。だから、異常なまでにAIに恐怖を覚える必要はない。人間にさえ、人間の心が解明できないのに、コンピュータに解明できるわけがない。人間はひとつのことをやり続けると飽きるけど、AIは飽きないだろう。人間には飽きるという感覚があるから、やり方を改善する。AIには課題解決力はあったとしても、課題を定義したり、見つけ出すということは期待できない。
 
テクノロジーは生まれて5年から7年ほどで生活の当たり前になる。インターネットやスマホもだいたいがそのサイクルとなっている。ディープラーニングが生まれたのが2013年であり、そこを起点とすると本書のタイトルにある2020年という時期が算出される。このタイミングは日本においては東京五輪があることも非常に有効だ。いろんな企業がここに照準を合わせてくるのは間違いない。2020年にはAIが生活に入ってきていると予測されている。
 
20世紀は人間をロボット的にする時代だったが、これからはロボット的な働き方は、AIが代替してくれる。人間は、より人間らしい仕事をすることができ、それが人工知能時代の幸せな働き方となる。そうなれば、テクノロジーの知見を広めることも大事だけど、人間とは何かということも知る必要がある。これは個人に置き換えれば、未来はどうなるか分からないけど、今のタイミングで間違いなく必要なのは、自分の考え方やあり方を見つめ直すこと。ネットの中にあるものは全てAIに置き換わる。
 
人とは何か、何のために生きているのかを考える。それが人間に残された仕事であり喜び。これからは形や論理のないものに意味が出てくるし、物質的なものではなく、満たされた心を求める精神性の時代になっていき、世の中は人間の幸せは何かを考える方向になる。
 
だから、テクノロジーと触れながら、テクノロジーと離れて生きるという相反する動きをしながら、バランスをとることが大事になってくる。
 
藤野さんが伝えてくれたことは非常に大きな意味がある。自分自身というよりも、それを知ったうえで、子どもとどう接するかや、何を伝えるべきなのかの多くのヒントをもらうことができた。2020年まで、あと3年。たった3年。これから急速にAIが僕たちの生活の中に入ってくる。楽しみでありながら、見えない未来に不安もあるが、テクノロジーはこれまでも僕たちの生活を豊かにしてくれた。きっと、これからの生活も豊かになるんだと思うけど、どういうマインドセットで接するのかが重要だと感じる。

世界トップエリートの行動を変える「スタンフォードでいちばん人気の授業」

最近は個人的に落合陽一さんにハマっているところがあり、先日のLive picsで明確な質問内容は覚えていないが、これからの時代を生き抜くためには、何をするのが最善策みたいな質問をされていたとき「そんなん、とりあえずスタンフォード行っとけばいい」みたいな話があった。

 

それまでは、そこまでその名前を意識したことはなかったが、それ以降いろんなところで目に入るようになって、この本に出会った。

スタンフォードでいちばん人気の授業

スタンフォードでいちばん人気の授業

 

 

スタンフォード大学は、グーグル、ヤフー、ペイパル、ネットフリックス、ナイキなどの創業者を排出してきた大学として有名だ。これほどの人材を育てた大学だが、そのバックボーンは、最先端のビジネスやトレンドを世界のどこよりも早く教えているからだというわけではないという。

 

スタンフォードで学ぶことの中心は、驚くほど人間的で、普遍的なこと。何よりも「自分を知る」「人間を知る」ということに焦点が置かれ、持続的に価値を生み出していく理論、フレームワークや、リーダーとしてふさわしい人間になるための基本を教えている。

 

実際に著者である佐藤知恵さんも言っておられましたが、ここ日本では普通に実践していることも数多くあった。その背景としては、日本人には、世界でも稀にみる慈愛に満ちた思いやりがベースとして備わっているということがある。

 

でも、日本の教育システムの中では、画一的なクオリティを量産するシステムであったため、個人ということはあまり尊重されず、現代社会においては、そこが大きく世界に遅れをとる理由になっている。

 

スタンフォードの入試では「あなたにとって大切なことは何ですか。そして、その理由は何ですか。」というテーマの課題作文を提出しなければならなく、入学以降も「あなたにとって大切なことは何ですか」と問いかけられているような日々を送るよう。人生の限られた時間をどう最大限に生かすのですか、情熱を傾きかけられる仕事や自分にしかできない仕事は何ですか、と語りかけられる。結果として、自分の夢を語ることができ、何かを変えたいという意欲を持つ人材へと成長することができる。

 

これは子育てにおいても非常に重要なことだ。どうなりたいのかのビジョン、そして、なぜそうなりたいのかを日々コミュニケーションすることは大きな意味を持つ。

 

本書ではストーリー、マーケティングイノベーション、社内政治、リーダーシップ、コミュニケーション、交渉術、会話術、そしてマインドフルネスについて、スタンフォード大学の教授の話を中心に描かれている。範囲が幅広いため、それぞれが詳細に記載されいるわけではないが、触りを学ぶには非常に有効だと思う。

 

最後は、このようなことをメッセージしていた。

 

自分の努力次第で、人間はいくつになっても自分を変えられることができるし、ITの進化によって、人間を探求する手法も劇的に進化している時代に生きている。そして、スタンフォード大学でも熱心に研究されいるコンパッション(=思いやり)がキーワードになっていく。

 
コンパッションは日本人が優位性に立てる要素だと思う。ビジネス上でも基本的には血の通った人間を相手にするわけで、人を思いやるということがない限り、成立しない。テクニカルなことばかりに気を取られることなく、原点を忘れないことでイノベーティブな人間に近づける。100年人生を生きるためにも、30代だからとか、年代に囚われることなく、自分を知り、自分の時間をどう生かすのかを考えて、子どもと向き合いたい。