勝川STAND

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藤野貴教さんに学ぶ「2020年 人工知能時代 僕たちの幸せな働き方」

グロービス知見録でこの動画を見つけた。

globis.jp

 

AIが進化した時に、働き方はどう変わるのかについて語られた1時間半という尺の講義でしたが、プレゼンテーション能力に非常に長けておられる方で、あっという間に見終えるほど、充実した内容でした。
 
このような優良コンテンツを無料で見ることができると、逆に、どうすれば有料にすることができるのか、そのハードルの高さも同時に感じる。

 

心を惹きつけられたのは、この言葉でした。

 

成果が出ているのに、なぜか、心が乾く。

 

藤野さんは独立前に、人事コンサルティング会社を始めとする複数のベンチャーでゴリゴリ汗を流して、時間という枠には囚われず、身を削って働いた。働いて働いて、成果も出している。だけれども、なぜか、心が乾く。

 

レベル感や業務内容に違いはあるものの、自分自身もそういった20代を過ごした。課せられた目標に向かって突き進み、考え、実行し、ムチを叩かれ、飴をもらい、成果を出していた。でも、心が乾く。僕の場合のこの問題ははっきりしていた。全て上司にやらされていたからだ。自分で考えるというよりも、上司の考えがあって、そこに向かえばいいんだ、そこに向かえば成果が出るんだと。それがいつしか、そこに向かえば怒られずに済むんだみたいな考えになり、顔色を伺って働いていた。これでは心が満たされるはずがない。そこに自分がいないから。

 

藤野さんの会社名も、親近感を覚える。クリエイティブも、すごく気持ちいい。

www.hatarakigokochi.jp

 

先ほど紹介した動画は、こちらの書籍のリリース後にグロービス名古屋校で行われたセミナーであり、ダイジェスト的なもの。

2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方

2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方

 

 

動画と重複する内容にはなるが、どちらも読み込むことで、より深い知識になったと思う。特に動画は、運転したり、ご飯食べたり、皿洗いしたりしながら、計10回は視聴した。

 

藤野さんはビジネスパーソンのテクノロジーリテラシーの底上げをすることを使命として生きている。現代社会の組織でよくあるのが、テクノロジーリテラシーの格差があり、それが組織の成長を妨げるということ。エンジニアと共通言語で会話ができるようになる必要があるし、新しいサービスを自分の言葉で説明する必要がある。

 

テクノロジーリテラシーは、理系文系とか関係なく、テクノロジーの進化に影響を受けない業界は1つもない。全ての人間に関係があるが、AIについては、ネガティブ記事が数多く見られる。それはただ恐怖を煽るほうがPVも発行部数も伸びるからなだけで事実と異なる記事もあると認識して、情報を取捨選択する必要がある。AIは人の仕事を奪うのではなく、AIは人間の能力を拡張させるためにあって、仕事を楽に、そして楽しくしてくれるものであると考えたほうがいい。テクノロジーは敵でも味方でもなく、僕たちの一部となる。
 
AIがこれだけ脚光を浴びるようになったのは、ディープラーニングを実装するようになってから。ディープラーニングを簡単に説明すると、機械が目を持ったということ。目を持つと圧倒的に情報量が増え、それによって脳が拡張していく。でも、現時点においてはなのかもしれないが、AIは学習したことしか分からない。だから、異常なまでにAIに恐怖を覚える必要はない。人間にさえ、人間の心が解明できないのに、コンピュータに解明できるわけがない。人間はひとつのことをやり続けると飽きるけど、AIは飽きないだろう。人間には飽きるという感覚があるから、やり方を改善する。AIには課題解決力はあったとしても、課題を定義したり、見つけ出すということは期待できない。
 
テクノロジーは生まれて5年から7年ほどで生活の当たり前になる。インターネットやスマホもだいたいがそのサイクルとなっている。ディープラーニングが生まれたのが2013年であり、そこを起点とすると本書のタイトルにある2020年という時期が算出される。このタイミングは日本においては東京五輪があることも非常に有効だ。いろんな企業がここに照準を合わせてくるのは間違いない。2020年にはAIが生活に入ってきていると予測されている。
 
20世紀は人間をロボット的にする時代だったが、これからはロボット的な働き方は、AIが代替してくれる。人間は、より人間らしい仕事をすることができ、それが人工知能時代の幸せな働き方となる。そうなれば、テクノロジーの知見を広めることも大事だけど、人間とは何かということも知る必要がある。これは個人に置き換えれば、未来はどうなるか分からないけど、今のタイミングで間違いなく必要なのは、自分の考え方やあり方を見つめ直すこと。ネットの中にあるものは全てAIに置き換わる。
 
人とは何か、何のために生きているのかを考える。それが人間に残された仕事であり喜び。これからは形や論理のないものに意味が出てくるし、物質的なものではなく、満たされた心を求める精神性の時代になっていき、世の中は人間の幸せは何かを考える方向になる。
 
だから、テクノロジーと触れながら、テクノロジーと離れて生きるという相反する動きをしながら、バランスをとることが大事になってくる。
 
藤野さんが伝えてくれたことは非常に大きな意味がある。自分自身というよりも、それを知ったうえで、子どもとどう接するかや、何を伝えるべきなのかの多くのヒントをもらうことができた。2020年まで、あと3年。たった3年。これから急速にAIが僕たちの生活の中に入ってくる。楽しみでありながら、見えない未来に不安もあるが、テクノロジーはこれまでも僕たちの生活を豊かにしてくれた。きっと、これからの生活も豊かになるんだと思うけど、どういうマインドセットで接するのかが重要だと感じる。