勝川STAND

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台風とSNSが繋いだ奇跡!とあるラーメン店の超絶ドラマチックな感動の実話

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お読みいただき、ありがとうございます。

 

2017年10月24日に起きた、こちらの件について説明をさせていただきます。

news.nifty.com

 

話自体は上記の記事で完結しますが、ここでは、その裏側で何を考えて、何を仕掛けた結果、どうなったかというのをご説明させて頂きます。

 

このストーリーの主役は「ライトニングファイヤー」という名の、中華そばとまぜそばをメインとし、みそそばやカレーまぜそばなど、フルライン的なメニューを揃えるラーメン店です。

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ライトニングファイヤーは、11/17に3周年を迎えます。愛知県春日井市のJR勝川駅近くでありながら、立地的には決して良いとは言えない環境で、日々、他のラーメン店とどう差別化をしていくのか頭を悩ませ、ラーメン作りと愚直に対峙しながら、他店にはないコミュケーションを展開しており、私は友人として、過去2年ほどプロモーションをお手伝いしております。

 

 - 2016.11 - f:id:win_river_stand:20171111161237j:plain

- 2017.1 -

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- 2017.4 -

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これまでも数回他イベントに出店はしてきていますが、今回の件は、こちらのイベントの出店が発端です。

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このイベントは、市内を中心とした約24万人が来場する愛知県春日井市が主催する年に一度のイベント内で開催されており、ライトニングファイヤーは、認知拡大を目的として、2017年の本イベントへ出店を決めました。

春日井まつり公式ホームページ | 市民とともに創り上げるまつり

 

ラーメン横町の開催は今回で17回目となり、これまでも大盛況という状況でありましたが、せっかく参加させていただくに当たり、新たな顧客発掘をするべきで、そのためのプロモーションをする必要があるんじゃないかという提案をし、主催者様に快諾をいただきました。快諾いただけた理由は、そんなことしたって何も変わらないから、やりたけゃやれば、ということだったのかもしれませんが、例えそうだったとしても、その判断には感謝すべきであり、そのご厚意に応えるべく、どのようにプロモーションをすればよいかを私たちは熟慮しました。

 

近隣のラーメンが好きな人種は、プロモーション手法に関係なく来場されると思われ、春日井まつりという特性上、全国のラーメンファンに向けて発信しても来場が難しいため、市内のラーメンに興味がない方の目を引きつけることで、事前の認知拡大が最大化されると考え、2017年のラーメン横町はこれまでのラーメン横町とは明らかに色の違うコミュニケーションで、これまでの最高来場者数を少しでも上回ることができるようinstagramを中心にプロモーションを行いました。

 

◼︎販促ポスター f:id:win_river_stand:20171111161530j:plain

※右下角がライトニングファイヤー店主

◼︎公式instagaramアカウント

www.instagram.com

 

本イベントは通常お店では出さないメニューを販売するイベントとなり、ライトニングファイヤーはこちらのメニューで準備を進めていました。

 

トマトと角切りベーコンの太陽のまぜそば

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角切りベーコンと豚ミンチをトマトで煮込んだ特製ミンチを極太麺にのせ、仕上げに細かく砕いたチーズをふりかけ、秘伝のタレと絡めてお召し上がりいただくまぜそば

 

順調に準備が進むなか、まず、このニュースが飛び込んできました。

www.news24.jp

 

これによって、春日市まつり開催日と投票日が重なることが決まり、当日祭りの開催を予定していた自治体は多く、自治体によってはその影響によって中止となるケースもありましたが、春日井まつりは開催されることになり、胸を撫で下ろす。

 

すると、次は、こんな時期になんで上陸?しかも、この日ピンポイントで??というニュースが入ってきた。

www.nikkei.com

 

2週末連続で日本全土に影響を及ぼした1本目の台風21号です。そうは言っても、ルートは逸れたり、スピードが思ったより遅くなるんでしょ的な超ポジティブマインドで日々天気予報をチェックしても、一向に良い情報が出てこないまま当日を迎えることになった。

 

- 2017.10.21 sat -

容赦なく降りしきる雨が、参加店舗のモチベーションにダメージを与え、また、集客にも大きな影響を与えていました。 

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近隣の恐らく徒歩圏内の方が中心だとは思いますが、こんな最悪の状況ながらもお客様に来ていただいたことには最高級の感謝をしながら、でも、やはり予想していた売れ行きを確保できず、二日目の日曜に関しては、出店自体を取りやめる店舗もあるなか、暴風警報発令とともに、ピークを迎える直前の12:00で中止。1,350食分用意して、250食販売という結果となりました。その後、嵐のなか撤去作業に追われ、心身ともに疲れ果て、ライトニングファイヤーの挑戦は終わりました。

 

- 2017.10.23 mon -

翌日晩、慰労を兼ねて立ち寄ると「とりあえず食材が余りまくってる(つまり1,000食分以上)からイベント用メニューだったけど、明日から店頭で売り出すわー。Twitterでも、つぶやくから、よろしくねー。」と言う店主のその顔は、お客様にも隠しきれなほどの疲労感が漂っていたが、まさか翌日この疲労が更に拡大するとは誰も知る由もない。そして、この後、予定通り店主がこうつぶやいた。

 

- 2017.10.24 tue -

そして翌朝ライトニングファイヤーからLINEがあった。早くも反応があってバズってると。

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これまでも同様にイベントで残ってしまって的なツイートをした過去はあったが、リツイート数は多くはなかった。だが、今回の世間の反応は、これまでと明らかに違っていた。

 

結果的にリツイート数は50,000近くになり、約5,000,000人にリーチし、心温まるツイートに溢れ、この夜、小雨の降る中、これまで見たことがない人の列が、店頭に生まれていた。

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ラーメン横町開催の2日間が晴れていた場合、春日井まつり自体の来場者は240,000人ほどは見込め、そのなかでラーメン横町に立ち寄り、さらにライトニングファイヤーという名を目にする人の数は、多めにカウントしても2,000名前後であると思います。今回のイベントの出店の目的は、当日の売り上げではなく、認知拡大であったことを考えると、イベントで期待できたMAX効果の2,500倍のインパクトがあったんじゃないかと思います。そして、今回の残った食材は品質保持可能期間の数日前に全て売り切ることができました。ご来店ご協力いただいた皆様に感謝いたします。

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なぜ、こんなことが起きたのだろうか。

 

いきなりキレイごとを言いますが、それは人間の持つ優しさが生んだんだと感じています。あのツイートを見て、写真の面白さで興味が湧いて、それが確実にフックにはなっていると思いますが、それだけでこの結果が生まれるとは思えません。このリツイートしてくれた50,000人の多くの方が「なんかコイツかわいそうだから、リツイートをタップするぐらいしてやるか」っていう小さな小さな優しさのひとつひとつがウネリになった結果なんだと思います。

 

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これはinstagram上で10月9日に投稿したものです。まさかお客様に向けたこのコピーがブーメランとして戻ってくるとは思いませんでした。こんな話、よくあるっしょ、って思えるひとには何も響かないとは思いますが、ライトニングファイヤーの真横にいた人間としては、インターネットっていう体温の感じないものを通じて、人間の優しさを垣間見ることができたとてもドラマチックで感動的な出来事でした。

 

長文お読みいただき、ありがとうございました。

  

ライトニングファイヤー

tabelog.com

春日井市旭町1-45
TEL 0568-34-2600
営業時間:[月〜土]11:30〜14:00 18:00〜23:00
[日・祝]11:30〜14:00 18:00〜22:00
定休日:水曜

 

これは開催日前のツイート。末尾に気になる一言。

どうやらこの嵐(台風)は、店主が呼んだものだったらしい。

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