勝川STAND

勝川STANDは、個人事業主様・フリーランス・小規模店舗経営者様に、無料ツールを使って、撮影から制作までリーズナブルにクリエイティブを提供します。

夏野剛さんに学ぶ『自分イノベーション』

私は、いい教育を受けてきていないまま36年間生きてきた。目標を持つわけでもなく、とりあえずその歳が来たから、とりあえず自分の身の丈にあっていると思われる偏差値の大学に入学し、とりあえず卒業するタイミングが来たから社会人になった。そのため、SFCなんてものも、ここ最近存在を知ったし、夏野剛さんについては、曲がりなりにもビジネス本などを通じて、iモードの生みの親的な話は聞いたことはあっても、それ以上を知ろうと思ったのは最近の話。

 

SFCについては、News Picsで単語を聞いて、調べてみた。すると、ここの出身の著名人は数多くいて、東京大学卒よりも魅力的な人が多い気がした。現代社会においては、右に倣えの人間の必要性はどんどん薄まっていて、自分の世界があって、それを追求していくような人種の希少価値が高まっていることを考えると、低学歴のDNAを受け継いでしまってはいるが、子どもたちの将来の選択肢のひとつとしてSFCを考えれるような育て方をしていきたいと思う。

 

夏野剛さんは、いろんな顔があるが、そのうちの一つとして、SFCの政策・メディア研究科で教鞭を執る顔がある。なぜ、今になって夏野さんへの興味が深まったかというとこちらの動画にたびたび登場しており、記憶に残っていたからだ。

globis.jp

 

そのような背景があって、次に読む本を探しに書店に行ったところ、こちらの新刊が発売されていた。

自分イノベーション

自分イノベーション

 

 

タイトルの通り、今の自分を変えて、加速度的に変化を続ける現代社会をどう生きていくべきかについて説いていた。

 

過去20年でのアメリカのGDP成長率は129%であるのに対して、日本は僅か2%。人口増加率はアメリカ20%、日本は横這いであり、差はあるものの、GDPの差のような大きな隔たりはない。理由は何なのか?違いはITを受け入れてきたかどうかである。新しいテクノロジーに社会が適用するのか、従来の社会に存在しなかったものが登場した時に、ネガティヴに反応するのか。日本は後者であり、テクノロジーの進化を食い潰す社会制度が問題である。選挙活動において、メールはNGだがLINEやFacebookはOKということなど、意味不明な問題も数多く存在する。
 
シンギュラリティについて、悲観的な話を目にすることが多いが、画像認識だけで言えば、2015年に既にAIが人類の能力を超えたとも言われている。そんな状況の中、給料のために仕方なく仕事をするというスタイルを続けていれば、価値の無い人間になる。ワークライフバランスを無視して行動し続ける力があるオタクはもっと力を発揮する未来が待っている。同質化された人間たちに未来はない。同じ餌を食べ続けていたモルモットは、必然的に同じ食物で食中毒になる。
 
日本の組織は、均質化されており、誰か一人が頭角を表すことをリスクだと捉えることで、無能なリーダーが生まれることが多い。組織の良し悪しは、すべてはリーダーシップが決める。リーダーが信念を持って、変化を受け入れるからこそ成長する。自分の考えとは違う人間を、排除する文化が根付く組織は危険だ。同じ考えの人が集まっても、新しいアイデアは生まれない
 
 
物事の良い結果が、さらにそれ自身を補強させる好循環を生み出すから、いろんなチャレンジをしていくべき。慣れているものには優しく、新しいものには厳しい態度を取るような色眼鏡で社会を見てはいけない。おかしいと思うところにイノベーションの種がある。普段感じる不平不満を大切にして、この問題を解決することによって世の中はもっと良くなると発想する。社会への義憤から新しい価値が生まれる。世の中は変えられないものではなくて、変えられる。世の中の問題は、全て自分事だと捉えて生活をすることが重要。
 
世の中に対して、乗り遅れた時こそ危険。今更やっても遅いだろうという心理から、やらない自分を正当化してしまいがち。また、自分とは異なる意見があることは当然であり、自分への批判を無視していては、何にもならない。自分の気に入った記事を集め、自分の考え方により固執していくことも危険だ。時々、SNSなどで、自分の発信に対する反応がどんなものか見ることで自分の偏りを確認できる。その結果、意見が途中で変わることは悪いことではない。自分の主張していたことは自分の考え抜いた意見ではなくて、誰からも反対されないようにしてるだけであったり、主観的、感情的、即物的な意識によって、物事を冷静に判断できていなかったということの気づきもある。
 
高度成長期には、組織は大きなリスクを背負う必要が無かった。現代社会の組織のリーダーになるためには結果を出すしかなく、もっと生産性が高い方法はないかを考え、自分の仕事はそれだけなのかを考えられるかがポイント。適材適所というのは、その個人が何が好き嫌いかで決めるものであって、組織の意向で決められるジョブローテーションは、個人にとっては何の価値も生まない。目の前にあるチャンスの中で、最も自分に向いている、あるいは稼げる仕事を選択して、その能力を高め、自分がのめり込める居場所を見つける。でも、本当にハマれるものは、ただ何となく生きているだけでは見つからない。仕事を終えて、家に帰ってテレビを見たり、酒を飲んだりするようなただの暇潰しをすることにも疑問を持つべきだ。
 
会社員として働き続けるのか、独立するのか、副業をするのか、どのスタイルであっても、目標に対して常に準備をして、チャンスがあればいつでも掴めるようにしておかなければならない。どう働くのかは、どう生きるのかと同義。仕事は、良くも悪くも人生に大きな影響を与える。GDP国内総生産は付加価値の総和。決して幸せの総和を測るものでないが、自分が価値を生み出せない、あるいは生み出した価値が認められないのは、何もしていないと同じと意識することが、自分が進むべき道のひとつのコンパス。自分の人生の責任は、自分で取るしかない。