勝川STAND

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『新しい時代のお金の教科書』で Don't make money, Create credit ! 的思想を学ぶ

 最近、二つのことを強烈に感じている。

 

一つ目は、きれい事だけれども、お金より信用ということ。

 

ただ、これを言うと、理解してくれる人は少なく、場合によっては馬鹿にされる。今後、副業が当たり前になるというか、それなしでは生きていけない状態がもうすぐやって来る。その時、お金のプライオリティが高い人間は結局、今の状況は変わらず、今の会社と副業先とに搾取されるだけだろう。信用が初めに来る人間は、信用を得るには、自分のストロングポイントが何かなければならなく、そこを更に強めるということを自然体で行える人間だと考える。また、そこで力を発揮できる人間は、それまでにどれだけ今の組織固有のスキルだけではなく、線の外でも使えるスキルを持つ人間だけだ。それがないなら、投機や投資などのマネーゲームだけをするのが得策だと思う。実際に、経済は9割が資産経済。現代社会においては。

 

二つ目は、仮想通貨は、インターネットと同じような存在になることを理解する必要があるということ。

 

これを口にすると、仮想通貨に触れてもいないのに、本質的なことを何も捉えていない今更遅い的な発言が鼻につく。大多数が、実際に仮想通貨を持っていないあるいはテレビで流れてくるような表面的な情報しか持っていないのに、ただビットコインだけを例に挙げ、もう遅いと。そのような人間に、ビットコインからフォークしたものや、他の仮想通貨の名前を言っても、その話はスルーされる。知らないから教えてと聞ける大人は非常に少ない。そもそも仮想通貨に触れるということは、これからの時代を生きていくためには避けて通れなく、どこかのタイミングでは触れるどころか、それを基軸として経済が動くことが想定されている。その基軸となるのがBTCなのか、フォークしたBCHなのか、柔軟性の高いETHなのか、中央集権的なXRPなのか、それともカンブリア爆発的に増えた草コインから生まれるのか。確かに今は投機的な話題としての盛り上がりが強いが、そもそも、どんな目的で作られたものなのかという話自体は、あまり話題にはならない。経済に強い人種でも、仮想通貨についてはまだ学ぶ必要がないと捉えている人も周りにはいた。そう思うと、今でさえアーリーマジョリティだと思うが、ラガードにならないよう、今更と言われても知識をインプットする人間のほうが、未来への適応能力が高いと感じている。

 

 このような心理状況のなか、あるweb上での記事で目にした、こちらの本を読んだ。

 

新しい時代のお金の教科書 (ちくまプリマー新書)

新しい時代のお金の教科書 (ちくまプリマー新書)

 

 

お金の価値=使っている人の数×発行している母体の信用
 
いま大事なのはお金を貯めることじゃなく、もっと個人の信用を積み上げること。お金はみんながお金であると信じるから、お金であり、みんなが認めないものはお金になりえない。お金は譲渡可能な信用、あるいは外部化された信用と捉えて付き合う必要がある。人間とは、分業と取引によって栄え、違いと社会によって補完しあうことを選択した種であり、譲渡可能な箱を作り、その中に価値を積み上げ、最後にその箱を譲渡することで生存してきた。しかし、物の価値は人によって全く違い、価値の合意が困難であるため、コミュニケーションを円滑にするためにお金が生まれ、数字という最も明確な膜の内側に信用と価値を閉じ込めることができ、さらにお金が持つ信用度について、価値があるということの理由を説明せずに使える便利なツールとして、これまで存在してきた。
 
金融政策の基本は、輸出を増やすために自国の通貨を安くすることが一般的で、ここ10年での実体経済の成長が1.3倍に対して、デリバティブ市場は3.6倍に膨れ上がっており、お金の汎用性は拡大していて、気づかないうちに私達の生活はお金にどんどん侵食されている。
 
お金を構成するのは信用と汎用だが、これからは企業や個人がお金を発行する時代がやってくる。ビットコインの拡大は、信用と汎用、次に国家とネットワークの2つの層の戦いでもある。インターネットが世界をデジタル化してコミュニケーションを加速させる技術なら、ブロックチェーンは世界を上書きし続ける技術で、中央集権的ではない分散型台帳システムと言え、ビットコインを始めとする仮想通貨は、国家にとっては非常に邪魔な存在であるが、国家にこれ以上搾取されたくないと思う人たちによる、このムーブメントは止める事ができない。

 

20世紀のビジネスの基軸は標準化、画一化、習慣化であった。業務を標準化して効率化を追求し、商品を画一化して世界中に送り込み、顧客が継続して購買するように習慣化させようとしてきたが、これからは多様化(ダイバーシファイ)、個別化(パーソナライズ)、肯定化(セルフエスティーム)が、劇的に進み、何を売っているかから、何の欲求に応えるかが重要となってくる。
 
現代社会人の全ての悩みの原因は人間関係であり、全ての幸福の原因も人間関係であるため、自分の価値や存在意義を肯定できる自己肯定感がないと生きにくい。米国では、自尊心育成が教育の中心と言われている。今後更に強まるネットワーク社会では、ハブ人材(インフルエンサー)が圧倒的な影響力を持つようになり、色んな業界の間に立っているインターメディエイトな人が尊ばれ、価値を生み出していく。頭が良いだけであったり、ロジックに依存しているだけの人間はAIに負ける。クラウドファンディングを始め、これだけ信用を自由に換えられるマネタイズツールがあれば、お金よりも社会的信用を貯める方が有効だと誰でも分かる。仮想通貨の注目は、国家の凋落に呼応した相対的なもので、本質的に求められたものではない。近い将来、ほとんどの産業が人間の時間を主要な資源とする産業となり時間が通貨そのものになる。これはタイムバンクに近い概念。みんなが信用求めていて、それをしかも、信用でやりとりする世界がやって来る。
 
与える人こそ成功する時代。人から搾取することだけを考えるのではなく、与える側にいることを意識し、価値を提供し続けるギバーとなる。他人中心にものごとを考えて、相手がなにを求めているかに注意を払い、相手と価値を交換することではなく、関係性全体の価値を増やすことを目指す。人間とは、情報に吸着した意識の集合体で、個性とは情報と意識の吸着パターン。お金単体を稼ごうとするのではなく、その裏にある本質、つまるところ信用に着目し、時間主義経済、記録主義経済、信用主義経済など様々な形で変化する経済社会を生き抜いてゆく必要がある。資本や貨幣に逆らうことはできないが、お金は信用を数値化したものであるといことを改めて理解し、その上で、お金と付き合っていく。また、組織に依存した才能ではなく、線の外でも使える才能を磨き、本当の意味で社会に貢献できるような体質作りが必要だ。100年人生のなかで、また、これから訪れる複業をしなければ生きていけない社会が来たとき、このようなマインドセットがない人間がマイノリティになるだろう。 
新しい時代のお金の教科書 (ちくまプリマー新書)

新しい時代のお金の教科書 (ちくまプリマー新書)

 
Don't make money, create credit.