勝川STAND

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時代を先読みし、チャンスを生みだす『未来予測の技法』をメタップス佐藤航陽さんに学ぶ

先日、西野亮廣さんの番組内でカラテカ入江さんがゲストとして登場されていた回で、佐藤航陽さんについての話が出た。お二人とも、IT界隈で活躍される人たちの交流が深く、特に印象深い人は誰だという話で、いろいろな優秀な人がいるなかでも、佐藤さんは何を言っているのか付いていけないほどの思考の持ち主であると言っていた。

 

『お金2.0』の興奮が冷めやらぬ中、もう新刊が発売になった。

 

 と思ったら、どうやら数年前に発売されていた『未来に先回りする思考法』に少し手を加えたものであり、Discover社による『お金2.0』のヒットの便乗商法とも感じるものであった。私は本を買う際、歴史的に読み継がれているものではない場合、発行された年を異常に気にする。やはり、自分が好んで読むジャンルの場合、数年前に発行されたものでは、未来を語っているものではなく、すでにそれは現実になっているものが多く、読むことで答え合わせはできても、優位性が生まれることは少ないと思っているから。という思考から、『未来に先回りする思考法』は以前から気になりながら読むことができていなかったため、いい機会にはなった。

  

パターンを見抜き、適切なタイミングを見極めれば、将来どうなっていくのかということの方向性を知ることは可能。
 
 
今の進んでいる道はそもそも本当に進むべき道かを真っ先に考え、変化に先回りしたもののみが生き残ることができる。現状の効率化を求め続けることは、目的地への近道を探すことを放棄した思考停止した状態。そのために、地図を捨てて、コンパスを持つ。大きなリターンを出すためには、適切なときに適切な場所にいれることが重要で、未来に向かう電車がくるタイミングまでに、自分が持っている手持ちのカードをきちんと把握し、電車が来るまでの残り時間の中で、足りないリソースを揃えて、駅のホームで待っていなければならない。また、ライフスタイルは生きてるうちに何度も変わり、今までやってきたことをやり続けることは、リスクが高い。
 
近い未来、データが人の感情すらパターンとして認識するようになると、誰でもこのパターンを利用可能となり、天才の希少性は失われ、駅のホームに早く並ばなければ、電車に乗ることすらできなくななる。それには、常に原理から考え、対象のシステムがどのような必要性を満たすために生まれたかを把握しようとする癖付けが必要がある。イノベーションは、テクノロジーの視点と社会の視点が重なった地点にあり、適切なタイミングで適切なことをすることで生まれる。
 
これからの未来で確実視されるのは、あらゆる物体に知性が宿るということ。IoTによって、物同士が繋がり、今後はそれぞれの物自体にAIなどのテクノロジーが実装される。近代は、顧客と売る側との情報の非対称性が前提であったが、インターネットによってそれは薄まり、情報の伝達は限りなくリアルタイムに、そして、コストは無料に近づいていっていて、分散型の社会システムへ変化しつつある。コンピュータやインターネットが拡張させる本質は、知性の拡張と言い換えれる。テクノロジーの進化によって、機械の人間化が進み、一方で人間の機械化が進む。そして、いつかどこかでそれらが交わる瞬間がやって来て、そのとき、どこまでを人間と呼び、どこまでを機械と呼ぶのか難しい問題となる。知性までも再現可能になったならば、人間を人間たらしめる独自性はない。
 
テクノロジーは、最終的に人間そのものと融合することが宿命づけられている。新しいテクノロジーが社会に普及されると、今度は私たちからそのテクノロジーに合わせて生活スタイルを適応させていくようになる。貨幣は物々交換の非効率を解決するために生み出されたテクノロジーだったが、いつしか逆に貨幣が私たちを教育し始めた。
 
テクノロジーが最後に行き着くのは宇宙で、テック企業は既にその準備を着々と進めている。インターネットは、近代に引かれた様々な境界線を溶かして、あらゆるサービスは価格競争の末、無料に近づいていく運命にあるが、それはインターネットに限られたことではない。時代とともに、何が当たり前かは移り変わり、Googleで行われている20%ルールは、企業側のリスクヘッジである。
 
自分の目の前の現実にどのようなパターンが隠されているか理解したいのであれば、感情という厄介者を一旦無視して、どんな結果が出ても、それを客観的なデータとして見る姿勢が必要となる。物事がうまくいかない場合、パターンを認識するために必要な試行回数が足りていないことがほとんど。ユーザーが望むニーズと、現在の技術で実現できることの接合点を突き詰めていけば、そこにバラエティはあまりなく、多くの場合その未来像は似たものにならざるを得ない。私たちにできることは、顕在化している問題をできるだけ早く解決する方法を見つけ、ひとつでも多くの不幸をなくすことぐらいであって、来るべき未来の到来を早めることが、その時代を生きる人に課せられた唯一の仕事である。
 
自分自身、自分にだけできることを見つけなければという思考があったが故に、そんなものなかなか見つからなく、結果的に何も動けないということがあった。佐藤航陽さんからもらった最後のメッセージは、私のような人間には非常に響く言葉であり、自分だけができることではなく、自分の得意なゾーンのなかで、自分が疑問や問題を感じたことを、可能な限り他の人よりも早く取り組み、解決へ向かわせることが重要であり、僕に課せられた唯一の使命なんだと記憶した。以前にも、感じたことがあると思い出したが、結果的に、できることをコツコツとやっていくことが自己実現への最適な技法なんだろう。