勝川STAND

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『朝宮あかりナイト』について思うこと

2018年8月18日に、愛知県春日井市のケローナ通り・朝宮公園で「朝宮あかりナイト」が開催されました。「朝宮あかりナイト」は今年が初めてのイベントで、事前情報が少ないため、どのようなイベントか思いを馳せながら、楽しみにしていました。

 

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結論から言うと、老若男女問わず、素晴らしいと感じるイベントだったと思う。

 

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「キャンドルとイルミで ちょっと特別な夜を。」というキャッチコピーの通り、すごく気持ちのいい時間が過ごせて「あれ、ここ春日井でいいんだっけ?」という感覚さえ漂い、これまでも数多くのイベントが春日井で開催されてきているかと思いますが、それとは確実に一線を画すイベントであったと思います。

 

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このイベントは、いま世の中で起きているムーブメントの延長線上にあると感じるコトがいくつかありました。

 

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モノが溢れてしまっている現代は、物欲さえも薄れ、モノよりもコトに心が動かされ、誰もが体験を欲しがっている。なんとか映えなんていう言葉がそれを物語っている。写真を撮ってシェアすること自体でお金は生まない。それなのに、あんなに必死になって、いいね!を稼ぎにいったり、共感を得たいという欲望は、お金やモノ自体の価値が下がっていて、みんなで喜びをシェアしながら、自己承認欲求も満たされるということが原動力となっている。本イベントでも、スマホをかざしながら楽しむひとは、そこら中にいた。

 

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モノが溢れた結果、同じモノを持つ人たちが溢れ、いつしか「それ自分で所有する意味あるんだっけ?」とか「これまだ自分が持ってる必要あるの?」ということを感じる人が増え、シェアリングエコノミーが台頭し、いろんなジャンルで共有するという選択肢が増えてきている。まだ、日本ではUberが本格上陸していなかったり、Airbnbが浸透していなかったりで、ひとによっては実感が薄いかもしれませんが、確実に生活に侵食してきていて、車、駐車場、スキルなど個人間取引も増えてきている。メルカリが生活に一番近いところ。

 

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自分が使わなくなっても、他に使うひとがいるということを多くのひとが理解し始め、それで経済が動いている。個人にも、法人にも、自治体にだって、遊休資産があり余っていて、それをシェアするという動きが強まっているのは、誰も否定しようがない。今回のイベントは、人の集まらない時間帯の公園という遊休資産を使った。どうせ使わないのであれば、使いたいと思うひとたちに開放するのがいいに決まってる。

 

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経済を活性化させる、地域を活性化させるためには、何か新しい施設を作るとかだけじゃなく、遊休資産を使ってできることはたくさんある。

 

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そのためには、恐らく自治体側で、遊休資産を開放できるよう規制を緩和することが求められる。それをするだけで、あとは勝手に市民が動く。規制緩和には大きな労力がかかるとは思うけれど、お金はそんなにかからないんじゃないかと思う。今回のケースの初動は誰か分からないけど、たぶん、勝手に市民が動いたんだと勝手に解釈してます。

 

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市民の中には、いろんな人がいて、自分たちが住む街を思う気持ちにも、随分と格差があると日常的にも感じる。さんざっぱら公共施設を使い倒しておきながら、自分の目先の利益だけを考えて、ふるさと納税を利用する人もいれば、誰かに頼まれたわけでもなく、このようなイベントを主催する人もいる。どちらも同じ市民。

 

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自治体としては、後者を応援するほうが間違いなくポジティブだし、それをすることで、前者を振り向かせることにも繋がるはず。実際、今回のイベントはお金のシェアリングとも言えるクラウドファンディングで資金調達をしている。勝手に動き出した市民に共鳴した市民によって、このイベントの資金が集まった。自治体が規制を緩和するだけで、このようなスパイラルが生まれるということを実感する。

 

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遊休資産の活用については、時代背景を理解しているひとたちによって、全国各地で既にたくさんの事例がある。この価値観が分からない自治体は、法人で言えば、成長戦略を全く無視した企業と同義。

 

横浜日の出町の高架下という遊休資産を活用したホステル。

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五反田でも高架下を利用した飲食を中心とした開発が進んでいる。

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思考停止して、駐車場にするぐらいだったら、ひとの集まるところにしたほうがいいという発想のcommune 2nd。

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いずれも、遊休資産を使って、コミュニティを醸成するということが目的。僕が住む春日井も、こんなワクワクする街であると嬉しく思います。

 

 

『朝宮あかりナイト』の主催者のみなさま方、素敵な夜をありがとうございました。

 

来年も楽しみです。

 

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2018.08.18 Sat

ASAMIYA AKARI NIGHT

text & photoglaph by kachigawa-stand