勝川STAND

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ジェイ・エイブラハム『ハイパワー・マーケティング』でマーケターのマインドセットを学ぶ

作者であるジェイ・エイブラハムを知ったのは、確か今年に入ってからだったと思う。最近は、自分の知りたい情報を自分から取りに行くのと同時に、広告の精度を高めるために「いいね!」などの足跡は残すようにしていて、Facebook広告で今年の来日イベントについての情報を受け取り、存在を知った。

 

先日、宣伝会議サミット2017に参加してきたが、改めて今の自分が一番興味のあることは何なのかということを、改めて感じた。最近の自分は足りないものを得ようと、人の話をよく聞くようになった。それは、自分が行くべき方向や、行きたい方向が定まってきたことも影響している。クリエイティブという領域で、自分の立場で何ができるのか、何がやりたいのか。今は、マーケターというポジションが一番そのイメージに当てはまっていると思う。

 

本書の帯にはこうあった。

”マーケターのバイブル”と全米で賞賛される伝説の名著、復刊!

今の自分のマインドにはマッチングしていると思い、手に取った。実際には、アメリカと日本の状況は異なるし、また、本書が書かれたのは2001年ということだったため、購入をためらったが、永く読み継がれているものほど、普遍的な知識を習得することができると思い、読み進めた。 

新訳 ハイパワー・マーケティング あなたのビジネスを加速させる「力」の見つけ方

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実際に、現代のマーケットにはそぐわない点も感じたが、全体を通して、マインド的な部分でインスパイされることは数多くあったため、今後の自分にとって必要なことを備忘録的な側面で、以下にまとめる。

 

余談であるが、先日のLive Picks WEEKLY OCHIAIで、情報をインプットして、それを自分でまとめるという作業は非常に重要であると落合陽一さんが言われていた。天才が言うのだから、間違いない。

 
 
相互に結び付けられていないものが、世の中には無数に存在していて、マーケターは自分が持っているものを最大限に活かし、最大限のものを掛け合わせて、結び付けていく。そのためには、優れた哲学的な戦略が必要で、いま自分が適切に行っていることと、不適切に行っていることを見極めていかなければならない。
 
計画を立てるにはゴールを知る必要がある。クライアントがもたらす総利益がいくらなのか、獲得にどれだけの時間と労力を投資できるのか把握し、LTVを知る必要があるが、新規クライアントの獲得時に利益を得るという考え方をやめて、関係を維持してもらうことで真の利益を得るという考え方にシフトするだけでも、クライアントの数と利益を増やすことができる。そのとき、他人を追随するだけの、競合を引き離す独自の魅力的なアイデアであるUSPを武器にする。そして、日々の活動という織物にUSPを綿密に織り込んでいく。自分の業界で満たされていないニーズを見極め、最も不足しているニッチ、ニーズ、ギャップに注目することでUSPを生み出すことに近づける。USPはユニークかつ絶対に提供できるものでなければならない。もしそれが業界内で一般的なものであったとしても、そのストーリーを公開した最初の人がマーケットで際立ち、卓越した存在となる。USPは、広告だけじゃなく、マーケティング活動すべてに組み込ませなければならない。また、万人に気に入られるのは不可能と理解してアプローチする。
 
クライアントには、特別プロモーションを頻繁に提供する必要があるが、その特別オファーは、必ずUSPの延長線上にあるものであって、それをクライアントにも同じように認識させる。USPがサービスなら、価格ではなく、サービスの特別オファーを贈る。最大の競争上の強みは、常にクライアントがイエスと言うほうが簡単という状況にすることだ。クライアントのリスクを取り除けば、行動へのハードルを下げることができる。努力と関心を、大きな見返りが得られる可能性の高い活動に集中させる。
 
失ったクライアントの多くが、取り返しのつかない理由で去ったわけではない。行動を起こせばクライアントに返ってきてもらえる。自分に置き換えた場合でも、よくわかる。実際に問題があって離れた場合もあるが、それ以上になんとなく疎遠になっているという場合もあって、連絡してもらって逆に感謝することもある。友人関係においても同様だ。情報の洪水にさらされ、自分たちのことなどあっという間に念頭から消え去ることを理解し、自分たちの利益よりも、クライアントの利益を優先するコミュニケーションを心がけ、USPと保証を織り込んだ購入後のフォローアップをしていく。
 
クライアントが望む最終結果をもっと完全に、もっと便利に、もっと効率的に助けることがマーケターの目標。マーケティングの天才は、最小の努力から最大限の結果を得る能力を持つ人。ただ、私たちが市場が何を欲しているのかを決める権限はないということを忘れてはならない。成功者には、優れた哲学的な戦略がある。簡単なことから始めるとすれば「私」から、「あなた」へ焦点を移すことでも充分効果がある。誰かの問題を解決する手助けのために自分が何ができるか理解し、方法を見つける。販売しているものは、商品ではなく、問題に対する解決策。
 
大きなブレイクスルーは、チャンス志向なマインドセットからしか生まれない。何も考えずに、ただ毎日を過ごしているだけでは、何も生まれてこない。隠れた資産というコンセプトを理解し、自分自身が気づかずにいる価値を掘り起こして、それを言葉にし、自分がそれをどれだけ持っているか数値で示し、さらに他の人が見過ごしているような利益を生み出す機会をどう見極めるかを学びさえすればいい。そのためにまず、自分が何を求めているのかを解き明かす必要がある。人生に何を求めているのかを見いだせていなければ、どんな成功も達成感も喜びも繁栄も幸福も、偶然に起こるしかない。自分がどこに向かっているのか知らなければ、何も得ることはできない。
 
自分自身、某通販会社の営業をしていることもあって、著者の言うことはスムーズに頭に入っていった。正直に言うと、テレアポやDMなどのセクションにおいては、少し時代を感じる側面もあったが、監修者も言われている通り、まだインターネットが世界に流通する前に書かれたものであるにも関わらず、既にその時点で今起きている事実の多くを見通していることに、マーケターのバイブルと言わせる所以を感じた。個人的には、テクニカルなバイブルというよりも、マーケターとしてのマインドセットを整えるための自己啓発的なバイブルとして、非常に有効な知識を習得することができた。自己啓発的な側面で言えば、自分だけでなく、子どもたちに語りかける言葉としても、多くの言葉を得れたと思う。