勝川STAND

勝川STANDは、個人事業主様・フリーランス・小規模店舗経営者様に、無料ツールを使って、撮影から制作までリーズナブルにクリエイティブを提供します。

『ポスト2020の都市づくり』でイノベーティブなまちづくりを学ぶ

最近、地域貢献という文脈に対して、能動的な自分がいる。

 

なぜ、そうなったのか。今年、38歳を迎えるが、子どもも大きくなり、ここが終の住処となることが想像できるようになってきたことが一つの要因であると思うが、それだけなのか、それ以外に何か違う要因があるからなのか、自分でも分からない。同じファクターを持つ人間は、ある一定数はいるはずだが、自分のように地域貢献ということに対して、興味関心を持つ人間は、会話をしていても、そうはいない。それが良い悪いということではないが、何がそのモチベーションを左右しているのだろうか。

 

ポスト2020の都市づくり

ポスト2020の都市づくり

  • 作者: 井口典夫,中村伊知哉,芹沢高志,玉置泰紀,小林洋志,保井美樹,松岡一久,一般社団法人国際文化都市整備機構(FIACS)
  • 出版社/メーカー: 学芸出版社
  • 発売日: 2017/06/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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帯には「ソフトパワーによるイノベーティブなまちづくりへ」とある。自分の住むまちは、人口約30万人という決して大きい街はではなく、イノベーティブという言葉が嵌らないとも思えるが、全米で最も住みたい街と言われるポートランドも約60万人ほどであることを考えると、人口というスケールはあまり関係ない。これまでの時代背景も大きな影響を与えているとは思うが、市民が何を優先してモノを考えて、どれを行動に移すかなどの集中と選択のベクトルが一貫していることが、イノベーティブな都市づくりに影響している。

 

日本には、2020年に東京でのオリパラというビッグイベントがある。開催自体にいろんな是非があると思うが、そもそも、前回の東京での開催とは前提条件が全く違う。前回は、高度成長期を迎え、あらゆる投資が、今後の社会のなかで必要とされるものとして残り、更なる経済成長に必要不可欠であった。だが、今回は、オリパラ後、負のレガシーとして残る可能性が非常に高い。本書では、そのような時代背景などを鑑みた今後の都市づくりについて、7人のスペシャリストがそれぞれの視点から説いている。

 

現代社会は、考えることで生計を立てている人の割合は拡大している。

 

何を提供すれば良いか分かっている時代〔工業化経済〕から、何を提供すればよいかを考えなければならない時代〔クリエイティブ経済〕に突入し、脱工業化、ポスト物質主義を説明するうえで、創造都市とクリエイティブ資本論が強調されるようになってきた。ウォークマン以降、ここ日本ではクリエイティブなプロダクトが生まれていないことなど、日本人としては、クリエイティブという文脈に対して、自信が消失しているような統計が出ている。いわゆる、自己肯定感や自己効力感というのが非常に低いわけだが、アドビ集計の国際アンケート調査では、世界一クリエイティブな国は日本、クリエイティブな都市は東京という結果がある。つまり、創造的であると世界で認められながら、自身は創造的とは思っていないくて、強みを強みとして理解できておらず、結果的に機会損失に繋がっている。謙虚と言えば聞こえはいいが、自信を持てない国民性は、これから国境の持つ意味が薄れていくことを考えると、プレゼンス自体が薄れ、やがて本当に島国として取り残されてしまう。

 
高度成長期の中で、いつしか、他者の未来が自分の想像のなかに移植され、みんながたった一つの未来を夢見るようになり、想像力が萎縮してしまった。すると、可能性の幅が狭まり、動きの幅が小さくなり、予測した世界が出現しやすくなり、未来は動きを止めてしまう。

 

日本人は、クリエイティブであることを認識する。

 

10年前の統計なので、どこまで自信を持つべきかは何とも言えないが、おもしろい数字がある。世界のブログのうち36%が英語サイトで、その差僅か1%ながらも、37%で世界第1位なのが日本語サイトであった。英語を母国語している国は多数あるが、日本語を母国語としているのは、日本だけであり、世界トップレベルのアップロード社会であった。独特なポップカルチャーも影響力があり、浮世絵以上のインパクトがあると世界で評価されている。飲み放題食べ放題も日本独特なものであり、飲みながら食べる居酒屋スタイルも自由さの現れ。

 

 

どう考えても、これからは国境というものを意識しない世界がやってくる。そうなるといろんなことが自由化となり、既得権益だらけの日本独自のマーケットは変化し、僕たちのライフスタイルも影響を受ける。そのとき、日本人としてのアイデンティティを持ちながら、自分の住む街をどのようにリフトアップできるのか。

 

自分のできることなどは、大したことじゃない。でも、だから何もやらないというマインドセットでは、いい子育てができるとは思えない。自分がこのコミュニティでやれることは何か、やるべきことは何かという問いの答えを早く見つよう。

藤野貴教さんに学ぶ「2020年 人工知能時代 僕たちの幸せな働き方」

グロービス知見録でこの動画を見つけた。

globis.jp

 

AIが進化した時に、働き方はどう変わるのかについて語られた1時間半という尺の講義でしたが、プレゼンテーション能力に非常に長けておられる方で、あっという間に見終えるほど、充実した内容でした。
 
このような優良コンテンツを無料で見ることができると、逆に、どうすれば有料にすることができるのか、そのハードルの高さも同時に感じる。

 

心を惹きつけられたのは、この言葉でした。

 

成果が出ているのに、なぜか、心が乾く。

 

藤野さんは独立前に、人事コンサルティング会社を始めとする複数のベンチャーでゴリゴリ汗を流して、時間という枠には囚われず、身を削って働いた。働いて働いて、成果も出している。だけれども、なぜか、心が乾く。

 

レベル感や業務内容に違いはあるものの、自分自身もそういった20代を過ごした。課せられた目標に向かって突き進み、考え、実行し、ムチを叩かれ、飴をもらい、成果を出していた。でも、心が乾く。僕の場合のこの問題ははっきりしていた。全て上司にやらされていたからだ。自分で考えるというよりも、上司の考えがあって、そこに向かえばいいんだ、そこに向かえば成果が出るんだと。それがいつしか、そこに向かえば怒られずに済むんだみたいな考えになり、顔色を伺って働いていた。これでは心が満たされるはずがない。そこに自分がいないから。

 

藤野さんの会社名も、親近感を覚える。クリエイティブも、すごく気持ちいい。

www.hatarakigokochi.jp

 

先ほど紹介した動画は、こちらの書籍のリリース後にグロービス名古屋校で行われたセミナーであり、ダイジェスト的なもの。

2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方

2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方

 

 

動画と重複する内容にはなるが、どちらも読み込むことで、より深い知識になったと思う。特に動画は、運転したり、ご飯食べたり、皿洗いしたりしながら、計10回は視聴した。

 

藤野さんはビジネスパーソンのテクノロジーリテラシーの底上げをすることを使命として生きている。現代社会の組織でよくあるのが、テクノロジーリテラシーの格差があり、それが組織の成長を妨げるということ。エンジニアと共通言語で会話ができるようになる必要があるし、新しいサービスを自分の言葉で説明する必要がある。

 

テクノロジーリテラシーは、理系文系とか関係なく、テクノロジーの進化に影響を受けない業界は1つもない。全ての人間に関係があるが、AIについては、ネガティブ記事が数多く見られる。それはただ恐怖を煽るほうがPVも発行部数も伸びるからなだけで事実と異なる記事もあると認識して、情報を取捨選択する必要がある。AIは人の仕事を奪うのではなく、AIは人間の能力を拡張させるためにあって、仕事を楽に、そして楽しくしてくれるものであると考えたほうがいい。テクノロジーは敵でも味方でもなく、僕たちの一部となる。
 
AIがこれだけ脚光を浴びるようになったのは、ディープラーニングを実装するようになってから。ディープラーニングを簡単に説明すると、機械が目を持ったということ。目を持つと圧倒的に情報量が増え、それによって脳が拡張していく。でも、現時点においてはなのかもしれないが、AIは学習したことしか分からない。だから、異常なまでにAIに恐怖を覚える必要はない。人間にさえ、人間の心が解明できないのに、コンピュータに解明できるわけがない。人間はひとつのことをやり続けると飽きるけど、AIは飽きないだろう。人間には飽きるという感覚があるから、やり方を改善する。AIには課題解決力はあったとしても、課題を定義したり、見つけ出すということは期待できない。
 
テクノロジーは生まれて5年から7年ほどで生活の当たり前になる。インターネットやスマホもだいたいがそのサイクルとなっている。ディープラーニングが生まれたのが2013年であり、そこを起点とすると本書のタイトルにある2020年という時期が算出される。このタイミングは日本においては東京五輪があることも非常に有効だ。いろんな企業がここに照準を合わせてくるのは間違いない。2020年にはAIが生活に入ってきていると予測されている。
 
20世紀は人間をロボット的にする時代だったが、これからはロボット的な働き方は、AIが代替してくれる。人間は、より人間らしい仕事をすることができ、それが人工知能時代の幸せな働き方となる。そうなれば、テクノロジーの知見を広めることも大事だけど、人間とは何かということも知る必要がある。これは個人に置き換えれば、未来はどうなるか分からないけど、今のタイミングで間違いなく必要なのは、自分の考え方やあり方を見つめ直すこと。ネットの中にあるものは全てAIに置き換わる。
 
人とは何か、何のために生きているのかを考える。それが人間に残された仕事であり喜び。これからは形や論理のないものに意味が出てくるし、物質的なものではなく、満たされた心を求める精神性の時代になっていき、世の中は人間の幸せは何かを考える方向になる。
 
だから、テクノロジーと触れながら、テクノロジーと離れて生きるという相反する動きをしながら、バランスをとることが大事になってくる。
 
藤野さんが伝えてくれたことは非常に大きな意味がある。自分自身というよりも、それを知ったうえで、子どもとどう接するかや、何を伝えるべきなのかの多くのヒントをもらうことができた。2020年まで、あと3年。たった3年。これから急速にAIが僕たちの生活の中に入ってくる。楽しみでありながら、見えない未来に不安もあるが、テクノロジーはこれまでも僕たちの生活を豊かにしてくれた。きっと、これからの生活も豊かになるんだと思うけど、どういうマインドセットで接するのかが重要だと感じる。

「革命のファンファーレ」西野亮廣さんが春日井に来るという奇跡

「革命のファンファーレ」の発売を10月5日に控えた西野亮廣さんが、春日井でトークライブをやられるそうです。こんな奇跡、最初で最後と思います。

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

 

 

どのような経緯があって開催に至ったのか気になるところがありますが、主催者である春日井青年会議所の方々に感謝です。

 

http://2017.kasugai-jc.com/data/2017_poupelle_ura.pdf

 

今回の西野さんのトークライブのタイトルは『道なき道の歩き方』。

 

キングコングの西野が来るというマインドで見にいくと、いい意味で裏切られる。まさにタイトル通りの世の中。今までこれがロールモデルだよ、と教育されてきたことが、実は現代社会においては、なんの意味もなくて、それでは生き抜くことはできないことあったということを感じるようになってきた。ひと昔前にあった道なんかない。

 

西野亮廣さんは、テレビでしか生きていけない体質を変えようと思って、いろんなチャレンジをして、いろんな既成概念を破壊している。

 

僕たちの世代は高度成長期終盤に育ち、特に既成概念をうまく植え付けられた世代だと思う。かなり強めの洗脳を喰らっている。既にあるやり方があって、それを提示され、それを実行すると評価される。逆に、本質的には正しいことであっても、違うやり方をすれば否定をされる。このような画一的な教育で生きてきたけど、最近は何かデジタルを中心とする大きなうねりのなかで、今までと同じやり方では、生きていくことは難しいんじゃないかと日々感じるようになった。本人たちは感じれているかは別として、子どもたちの世代はもっとそうなんだろう。

 

だから、余計に、既成概念を破壊する人間こそが、現代社会を生きるイノベーターなんだと感じるようになり、西野亮廣さんのような生き方に惹きつけられる。

 

僕の身近なところにも、既成概念を破壊している魅力的な人間がいる。

 

ライトニングファイヤー

https://tabelog.com/aichi/A2303/A230301/23054694/

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トークライブ会場から車で5分ぐらいのラーメン屋。プロレスの技でもなく、戦闘機でもなく、ラーメン屋。自分の人生を賭けた店を「ライトニングファイヤー」と名付け、このようなプロモーションをする。

 

ラーメンという概念も、飲食という概念も、これまで正とされてきた概念を破壊している。右が正解と世の中が言っているのに、左に行ってしまっている。でも、誰かのハートには突き刺しにいっていることは伝わってくる。作ったものを上から目線で売りつけるということはせず、顧客とコミュニケーションをとるということも強く意識している。

 

ロイヤルカスタマーに対しては、こういったメッセージを発信する。

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目的、ターゲットははっきりしていて、ラーメン屋という枠ではなく、この街を支えるひとたちを支えるというのが彼らの明確な事業ドメイン西野亮廣さんが言われる’芸人’という定義に入る人種だと思う。

 

 

僕たち子育て世代も、いま属している会社でしか生きていけない体質を変えるべきだと思う。僕たちのレベルで言えば、それは体質ではなく、まずはマインドセットかもしれない。

 

働くことは苦しいことなんだ、働くことは楽しさを追求するものじゃない、お金を稼がなければならないと自分のなかで思い込ませ、脳を麻痺させている。それを世の中のせいだとか、家族を養うためだとか、自分以外のせいにして、思考停止している人もいる。

 

でも、どんな職種であれ、それを選んだのは他でもない自分だ。会社員であろうが、個人事業主であろうが、世襲であろうが、なんだろうが、きっかけは外部かもしれないが、決めたのは自分だ。そこを忘れてはいけない。いつでも抜け出せる。

 

9月22日のトークライブが楽しみでしかたない。

 

僕は2人の子どもを育てていて、小学2年生の女の子と一緒に参加する予定でいます。

 

恐らく、このイベント以降、西野亮廣さんが春日井に来ることはないと思う。売り方を追求されている方なので、今後出版されるイベントが近くの自治体で開催されることがあっても、春日井には来ないと思う。

 

西野さんの本や記事など読み漁っているので、初めて聞ける話をすごく少ないと思うけど、リアルな空間を通して感じれることはめちゃめちゃあると思う。子どもにとっても、これがターニングポイントのひとつになると僕も嬉しい。

 

チケットまだの方はこちらで購入できますよ。

ticketpay.jp

 

発売が超楽しみ。

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

 

 

行く前に読んどいたほうがいい。

魔法のコンパス 道なき道の歩き方

魔法のコンパス 道なき道の歩き方

 

 

本を読むのが苦手だったら、Podcastにある茂木さんの番組の対談がオススメです。Podcast内で「西野亮廣」と検索 すればすぐに出ます。

Dream HEART

Dream HEART

 

Abemaユーザーだったら「徹の部屋」のこの回も是非。

abema.tv

”現代の魔法使い”落合陽一さんに学ぶ「超AI時代の生存戦略」

最近は、本を読む以外にも、動画を使って知見を広めるようにしています。仕事柄、営業車での移動時間も長い。通販枠だらけのくだらないラジオを聞いているよりは、音声だけでも動画を流していたほうが、自分の未来を作るためには非常に有効だと思うので、最近は、「グロービス知見録」と、「高城未来ラジオ」と、こちらをよくチェックしてます。

 

jstweb.houdoukyoku.jp

 

運営はNewsPicsです。

newspicks.com

 

NewsPicksユーザーなら、ご存知だとは思いますが、平日月曜〜木曜(祝日除く)の22:00からリアルタイム動画配信されているLivePicsには、先ほどののURLにアーカイブがあるので、そこでいつでもどこでも視聴することができる。

 

その中で、木曜レギュラーとなっている落合陽一さんは、特に異彩を放っており、人間的にどんどん興味が湧いていきました。細かな経歴などは、適当に検索していただければと思います。

 

そこで今回はこちらを読みました。

超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト

超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト

 

 

本書は副題にある通り、2040年代に迎えることになると言われているシンギュラリティに備えるための方法が説いてある。

 

今の時点でシンギュラリティという言葉を知らないのは、これからの時代を生き抜くうえでは、すでに周回遅れになっている可能性があると思う。そんなこと知ってても、知らなくても、知っているうえで何も動かないのであれば、両者とも違いはそんなにないと思うが、子育てをする今、まずは知ることが必要だと思っている。

 

今、AIに関しての情報は、その関連記事を見ない日はないんじゃないと思うほど溢れている。その情報の多くは、今ある職種のほとんどがAIに奪われるということを中心に、不安を煽るようなものがほとんど。そこでよく言われる結論は、人は人間にしかできないクリエイティブなことをしていけばいい、ということ。落合さんは、これは単なる思考停止なだけで、妄想であると言う。そもそも、その風潮は、クリエティブという曖昧なワードで誤魔化し、結局、何をしたら良いのか分からないということと同義だ。

 

AIには問題解決能力はあっても、問題を見つけることはできないとも言われたりするが、それもディープラーニングが進化すれば、対応できるんだろう。本当かどうかは微妙な気もするが、Facebookが開発したAIが、人間の知らない言語で、AI同士が会話を始めたため、緊急停止をしたなんてニュースがあった。恐らく、僕らの想像の域は確実に飛び越えてくるんだろう。

 

確かに、職を奪われ、職を失うひともいる。それは自分も含めて。ただ、この現象はAIが出てきて初めて起こることではなく、これまでも起きてきたことであって、テクノロジーの変化のなかでは、これまでも見てきた光景だ。個別産業で起こる技術革新を僕たちは歓迎し、受け入れて、変化してきた。いつまでも続く産業なんて、ほとんど無い。時代のニーズや、トレンドによって、求めれられるものや、人にお金を払ってでもやって欲しいことは変わって当然。キッザニアで、働くことでその対価をもらうという仕組みは学べると思うが、そもそも、子どもたちが大人になった時に、その職業がどれほど残っているのか分からない。

 

著名なビジネスパーソンを生み出すスタンフォード大学でも、最先端のビジネスを世界のどこよりも早く教えているのではなく、人間力を鍛えるための授業が中心と言われている。本書には、その他気になる勉強になるワードが数多くあった。ただ、言っていることのベースは、全く聞いたことの無い考え方というわけではなくて、非常に普遍的なことであり、哲学的であった。そこには、自分の信念というのが強くあって、それに向かって突き進んでいる前掛かり過剰な部分は感じた。

 

これだけ未来が見えている落合さんだから「10年後を見据えて、何をやるのが一番いいですか?」と聞かれることが多いようだが、これだけ未来が見えている落合さんをもってしても、なのか、それゆえなのか、このように答えるそうです。

 

「未来はどうなるか分からない。いまできることを精一杯やること。」

 

 

得体の知れないAIに不安を募らせ、未来を憂い、思考停止するのはやめよう。

 

自分の道を信じ、それによって何が残るのかを意識する。他人はどうだっていい。自分の決めた道で、自分の決めたコミュニティのなかでのブルーオーシャンを見つけたい。 

 

 

 

 

竹中平蔵さんに学ぶ、日本経済を変える「第4次産業革命」

藤原和博さんの動画を検索していたときに、GLOBIS知見録の存在を知りました。

 

globis.jp

 

このサイト内には、ベンチャー企業の社長から、マーケター、政治家、アスリート、アーティスト、研究者、学者など、数多くの枠に捉われない職種の著名人によるセッションがアップされており、現代社会における課題やトレンドなどを学べる非常に内容の濃いものとなっています。関東圏では機会があるかもしれませんが、名古屋など地方ではなかなかお目にかかれない方々の貴重なお話を無料で聴くことができます。カテゴリーも多様性があり、自分の知見を広げるには非常に有効なツールです。

 

その数あるセッションのなかで、たびたび竹中平蔵さんが登場されてました。当たり前と言えばそうなのですが、私のような認知力の低い人間にでも、分かりやすいロジカルなプレゼンテーションで、非常に高いインテリジェンスを感じることが多かったため、今回はこちらの本を読んだ。 

 

現代社会、あるいは、この先の社会がどうなっていくのか、第4次産業革命によって何が起きるのかを説いています。話題としては、AI、ロボット、IoT、ビッグデータシェリングエコノミーなどが中心で、最近のトレンドに関する情報が網羅されており、日頃このようなことに興味を持っていないひとの入門書的な位置づけに感じました。このような本は、我々子育て世代が特に読むべきであり、知識として頭にインプットして、子どもたちと接する必要があると個人的には感じる。

 

新しいテクノロジーによって、今までになかった新しいチャンスが生まれている。革命的な時代がやってきたという時代認識をもち、幅広く議論し、大胆に行動することが必要。超スマート社会の実現に向け、ソサイエティ5.0が強力に推進されいるが、ライドシェアについては、中国にさえ遅れを取っている。日本ではタクシー業界をはじめとして、ライドシェアに対しての抵抗勢力が強く、経済特区である福岡市でのみテスト運用されているという状況。
 
モノがインターネットにつながるIoT。そして、そのデジタルなネットワークで得られるビッグデータによって可能になったシェアリングエコノミーは、これからの私たちの社会生活を大きく変えるし、職業のあり方も決定的に変えて行く。これ以上、周回遅れになってしまってはいけない。
 
 
産業の生まれ変わりは、社会インフラの入れ替えとも言える。ウーバーもAirbnbソーシャルネットワーキング業であって、主役は製造業などこれまであったような業態ではなく、日本の第4次産業革命の新しい動きを既存の業に当てはめることはできない。
 
トヨタのライバルはグーグル、パナソニックのライバルもグーグル、どの企業にとってもライバルはグーグル。様々な職業は必要なくなっていき、失業率が大幅に高くなるという影も潜んでいる可能性は否めない。新たな技術によって仕事がなくなり、さらには海外労働者の流入などのグローバリゼーションの進展によって、絶望感を抱くひとたちが生まれる。すると、このような人たちを守ろうというスタンスを見せる政治家が現れる。これがポピュリズムであり、トランプ政権の誕生や、イギリスのEU離脱などが主な例と言える。
 
 
そろそろ日本人は、高度成長期での成功体験から逃れるタイミングであり、それができなければ世界で取り残される存在となってしまう。第4次産業革命は社会の根本を変える。日本企業は、何でも言うことを聞く偏差値が高い人を雇い、社長の周りは子分ばかりで、そうした人たちが取締役として取締役会を構成し、社長にとって居心地のいい組織になっていることが多い。成長戦略にはコーポレートガバナンスが必要不可欠であるが、それが保たれていない企業が多くみられる。日本の生産性の低さは、規制で守られているケースが多く、また、不動産がノーリスクハイリターンであったことから、日本で投資が根付かず、それが成長を妨げる要因の一つとなっている。
 
これからはゴーイングコンサーンよりもプロジェクトベースで人材確保がなされる。日本型雇用慣行、つまり、年功序列や終身雇用は終焉を迎える。第4次産業革命で、人材のシェアリングが当たり前になる。終身雇用で、同じ会社で長く働けるから安定しているということは、ダメな会社にしかいられないということだ。インダストリー4.0を掲げるドイツは国内の構造改革を行った。日本の成長戦略は、体質改善までに何年もかかる。
 
第4次産業革命以降のこれからの時代を生き抜くために必要なマインドセットが3つ挙げられていた。これはマサチューセッツ工科大学のメディアラボで掲げられている9つ標語のなかの特に参考になるもので、子どもと接するときにも、意識しておきたいマインドセットだ。
 
Compasses over maps
もう、古い人生の地図は使えなくなる。これからは、コンパスを持っているか、あるいは、自分は何がやりたいか希望や意思があることが重要。
 
Resilience over strength
強さよりも復元力。どんなに強いものでもの崩れていく。その時に、どのように復元していくことができるか。
 
Learning over education
知識を詰め込むお勉強ではなく、自分で考えて学ぶこと。知識はインターネットでいくらでも手に入れることができる。大切なのは実際に経験しながら学ぶこと。
 
 
世界でもっとも守られているのは日本の正社員。雇用の安定と引き換えに、不満な仕事を続けている人が大勢いる。ライフスタイルやライフステージによって働き方は変わるはずなのに、正社員として働くことだけが正しいという暗黙のルールが生きており、それが国際社会においては歪な存在となっていることに気づく必要がある。
 
チャンスで満ち溢れているはずなのに、みんなと同じでなければならない、枠をはみ出してはならないという、義務教育のなかでインストールされたこの画一的な意識を変えなければ、AIに取って変わられる人材になってしまうという子育て世代にとっては非常に意味のある、重要なメッセージを強く感じた。

 

 

 

 

樺沢紫苑さんに学ぶ『脳を最適化すれば能力は2倍になる』

今年に入り、これまでの自分を見直し、100年ライフを謳歌できるように始めたことのひとつに、中小企業診断士の資格取得に向けた勉強があった。

 

なんでもやる前から諦めるという体質を改善しようという意味もあったが、勉強を始めてみると想像以上に資格取得の壁は高いものということが分かってきた。7科目のすべてをとりあえず1周した当たりで、勉強に取り組むモチベーションがだんだん低下しているということが、自分の意識のなかにも顕在化してきたところで、このままでは体質改善できないかもという危機感を感じ、モチベーション向上や記憶力や集中力を高めるためには、科学的に解明されていることで、自分の知らないことがたくさんあるのではないかとマインドで今回はこちらに助けを求めました。

 

脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法
 

 

いいタイミングで出会えたと思います。

 

やっぱり、成功するにはルールみたいなものがあって、こういうのを見なくてもやれてる偉人はいますが、現代社会においては、科学の進歩でいろいろなことが明らかになってきているので、活用しない手はない。子育てにおいても、非常に意味のある本であったと感じました。

 

人間は勉強するということをやめれば、その時点で成長はストップし、思ったよりも早いスピードで後退していく。自分の所属する会社では、歴史あるが故に、歴史に縛られ、超年功序列型の高度成長期のままのスタイルなイノベーションのニオイがない組織で、それなりの規模のため、認知能力の高い人間が多いが、学生時代はお勉強できたはずのひとたちが、入社すると全く勉強をしない人間になっているケースが多く見られる。

 

それは結局、非認知能力が足りないからということもあるかと思う。今後の社会では、認知能力よりも、非認知能力がより必要になってくることは、大学入試や義務教育のシステムが変わるということを考えても、誰も疑いのない事実だが、そうなれば、認知能力は不要なのかというと、それは違うと思っている。

 

本人のやる気次第だが、やはり認知能力を高めることや、なにか習い事をして生き抜くスキルを持てるようにするにしても、モチベーションを維持することや、集中力を高める、もっと言えばどのようにゾーンに入ることができるのかなど、それを手助けしてあげることは親として必要なことだと思う。

 

本書では脳内で分泌されるもののうちの以下7つの物質について、それぞれ存在する意味や効果などが簡潔に記載されていた。それぞれを一言で言うと、こうです。

 

ドーパミン → 幸福物質

ノルアドレナリン → 闘争か逃走か

アドレナリン → 興奮物質

セロトニン → 癒しの物質

メラトニン → 睡眠物質

アセチルコリン → 記憶と学習

エンドルフィン → 脳内麻薬

 
今の自分の心境から、引っかかったことは以下のようなことであった。 
 

ドーパミン → 幸福物質

ドーパミンが分泌されることで人間は幸せを感じるため、脳科学的には幸せは脳の中にあって、幸せになる方法=ドーパミンを出す方法とも言うことができる。また、ドーパミンが分泌された状態だと、物覚えがよくなる。チャレンジして、達成しすれば、幸福になる。つまり、チャレンジし続ければ、誰でも幸せになれるということだ。
 

アドレナリン → 興奮物質

大きな声を出すことで、脳に刺激が与えられ、アドレナリンが分泌され、精神的な集中を高めると同時に、筋肉にも力がみなぎる。アドレナリンは、身体機能や筋力などを一時的にアップさせる身体に対する効果と、集中力や判断力を高める効果もあるが、その効果は30分もたず、また、アドレナリンジャンキー的生活は、非常に危険性があるとも言われ、バランス感が必要ということになる。
 

セロトニン → 癒しの物質

セロトニンは朝日を浴びると合成され、今日1日頑張るぞという気持ちにさせる。特に、朝起きてから2〜3時間は脳のゴールデンタイムと呼ばれ、最もイキイキと活躍してくれる時間帯のため、集中するに適当な時間と言える。
 

アセチルコリン → 記憶と学習

なにかの目標に対して、やる気が起きるまで待つというスタイルは、脳科学的には正しくはない。むしろ、やる気がないのなら、とりあえず始めてみるが正しい。頑張ってでも始めることで、側坐核に刺激を与えることになり、アセチルコリンを分泌し、どんどん気分が乗ってくる。とりあえず、チャレンジしてみるというのは、科学的にも大事なことだった。
 
たった30分の昼寝で、脳のパフォーマンスは30%以上も回復する。眠い目をこすりながら耐え忍ぶのではなく、眠いときは寝てリフレッシュすることのほうが断然効率的だということ。
 
アセチルコリンの分泌によって、海馬からシータ波が放たれ、結果として記憶力・発想力アップにつながるよう。また、アイデアを生み出すのみも役立つ物質である。
 

エンドルフィン → 脳内麻薬

エンドルフィンは究極のストレス解消物質と言われている。過度のストレスがかかった時や、相反する心穏やかなリラックスした状態でも分泌される。マインドフルネスで、キレイなα波が出て、エンドルフィンが分泌されるため、ポジティブな脳を作るだけでなく、ストレスを解消するのにも効果的な手法である。さらに、記憶力アップ、想像力アップ、集中力アップにも繋がるため、フロー状態に入るために必要不可欠な物質である。人に感謝する、される、役に立つ、貢献するなどで、報酬系扁桃体が刺激され、ドーパミンやエンドルフィンが分泌される。

 
 
それぞれが上記のような役割があるが、どれかが突出していても、それはそれで体に異常をきたす。例えば、ドーパミン過剰分泌で幻覚が出るし、ドーパミンが生成できないとパーキンソン病の危険性が高まる。 脳内物質はバランスが大事で、また、脳に反する行動は、サイドブレーキをかけたままでアクセルを踏むようなものであることを理解して、今回の知識を有意義なものにしたい。
 
 
 

木蔵シャフェ君子さんに学ぶ『’シリコンバレー式’頭と心を整えるレッスン』

マインドフルネスへの理解を深化させるために、こちらの本を読みました。

 

著者は木蔵シャフェ君子さん。

 

数々の外資系企業でのブランドマネジメントに携わり、世界的に信頼を得ているマインドフルネスプログラムSIYの日本人初の講師となった、マインドフルネスを日本に伝える先駆け的な存在。

 

そのようなバックボーンがあるとは知らず、白地にスミ文字に、ブランド価値の出る箇所にイエローマーキングという、至ってシンプルな中に、しっかりと伝わる何かを感じ、ビジュアル先行で手に取ったわけですが、結果的には良い選択ができたと思っています。

 

情報は、全く知らないことしかないものであると、理解できる部分が少なくなって、頭に入らないこともあるし、逆にそんなの解ってるということばかりになっても、つまらなさを感じてしまうが、そういう意味では、ある程度マインドフルネスに対してのリテラシーがある方には距離の近い書き方をして頂いている本だと感じました。

 

海外にはリトリート施設と呼ばれる宿泊型式の瞑想ワークショップが受けられる施設が存在する。日本には馴染みがないが、今後、アメリカの影響を色濃く受けるここ日本でも増えてくることが容易に想像できる。シリコンバレーで働く人々は、ある一定周期で、デジタルデトックスを行って、デジタルの距離を保っている。
 
マインドフルネスの目的とは何か。
それは、人生をより良いものにすること。
 
シリコンバレーは、現代におけるヒューマンポテンシャルムーブメントの震源地として、マインドフルネスを筆頭に世界を牽引している。日本とシリコンバレーで働く人々とでは、仕事に対する価値観に相当な違いがある。シリコンバレーでは、仕事だから自分を滅してやってるという動機で成果を出した人はいない。
 
シリコンバレーのなかでも、マインドフルネスブームの先駆けとして現れたのが、他でもないGoogleだ。マインドフルネスへのリテラシーがあるひとはご存知だと思うが、マインドフルネスこそがクリアで正確な検索を可能にするという理念のもと、サーチ・インサイド・ユアセルフ=SIYという自分の内側を検索するマインドフルネス研修を積極的に行っている。
 
僕らが住む日本に関わらず、世の中全体が、物質的な豊かさよりも、心身ともに健康で満足する状態を求めることにシフトしているのは日々感じると思う。追い詰められたビジネスピープルらが、マインドフルネスを取り入れて、心の探求を始めた。自分を抑えたり、コントロールしたりすることではなく、ありのままの感情や心身の状態に気づいて、それを批判なく付き合うこと。そして、自分に対しても、他人に対しても、批判のない態度が、人間関係のなかで生きてくる。
 
生活と仕事は垣根を設けるのではなく、同じゴール・価値観によって統合されるワークライフインテグレーションであるべき。ワークライフインテグレーションとは、家庭も仕事も、ありのままの自分が、自分の大切とすることを実現する場として、どちらの場も一瞬一瞬をていねいに生きるということ。個人として、ビジネスパーソンとして、コミュニティの一員として、どの場面でも大切にしていることを一貫させ、それぞれの価値を一致させていく。
 
GDPが停滞しているものの、依然として世界3位である日本が、幸福度ランキングでは53位であるのは、滅私奉公という古いパラダイムがベースとして根付いていることが挙げられる。自分を滅して、仕事をするという感覚はワールドスタンダードではないし、完全に世界に置いていかれる思考である。今日という日を、これまでの繰り返しと見るか、まっさらな未知なものとして見るか。大人が目覚めているとき、平均47%は今以外に注意か向いており、気持ちが今からそれている人ほど幸福感に乏しい。例えば、将来ハワイへのんびり旅行することを考えるより、今に気持ちをしっかり置いて注意を向けているほうが、結局は幸福度を高めることになる。
 
さほど問題のない状況なのに、わざわざ将来への不安や、過去の後悔を掘り出して脳内で悩みを製造している。日本人の多くの脳が悩み製造工場と化していて、意味のないことに脳を浪費させてしまっていると言える。
 
当たり前と思い込み、自動操縦状態で過ごすことが、マインドフルネスの対極となる状態。当たり前であると思うが故に、その当たり前が保たれないとき、強烈なストレスが生じる。当たり前なんてものはないのにだ。思考を変えることで、不要なストレスに踊らされない脳を作るのにもマインドフルネスは効果を発揮する。 
 
現代人のストレスの原因のひとつは、アイデンティティや自己イメージを、自分のなかで限定し、その中に収まろうとコントロールすることが挙げられる。喜怒哀楽のどれが良くてどれが悪いということはなく、ポジティブなときは喜びや満足感をしっかり味わい、ネガティブなときは、そんな自分を批判せずに寄り添うことで、何かが学べることに気づかなければならない。
 
これが幸せな人生、これが成功といったイメージをメディアで爆撃され続け、自分ではない誰かに誘導されていく。自分が何者かわからないこと、それは豊かな人生の妨げにはならないことに気づかなければならない。こうあるべきだという外側の物差しは要らない。感情的なストーリーは脳が状況に応じて創り出したフィクションであると気づけば、人間関係での悩みは少なくなる。マインドフルネスを応用したアテンショントレーニングで自制心を高めることができ、それは学習能力や社会性が育くまれることに繋がる。
 
 
脳は最悪のストーリーを勝手に作り出すもので、なかでも扁桃体が、私たちを小心者で疑い深くしている。脳は慣れ親しんだことを安全と考えるクセがあり、二度と痛い目に合わないように、自分を守ろうとする仕組みになっている。脳にある自己イメージは、偏った記憶と意味付けによって編み出された、間違ったあなたというストーリーが生んだネガティブバイアスである。
 
 
たった一回の呼吸でも、ていねいにすれば脳はリラックスでいる。マインドフルネス瞑想は心の筋トレと捉えて、習慣づけて、続けることが重要だという。呼吸に注意することで、常に新しいことが起き続ける今に集中できる。
 
現代社会においては、休日に仕事をしているような人は、もはや尊敬に値しない人種だ。自分の存在が会社や仕事のためにあるという思考は捨て、自分というリソースを、仕事や家庭のなかで、そして、もっと広い社会で役立てようとするポジティブなマインドセットを育むためにマインドフルネスは必要不可欠。
 
もうまもなく人口減少を伴う人類史上かつてない超高齢化社会を迎える。
 
生き抜く術としてのマインドフルネスを身につけ、自分の人生を自分でリードしていけるようにしていきたい。