勝川STAND

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『坂の上の坂』30代から始めておくべきことを藤原和博さんに学ぶ

やっぱり自分は遅い。感度をもっと高めていかなければと思う。今さらながら藤原和博さんの書籍を初めて読んだ。

 

改めて存在を知ったきっかけはあるこちらの対談から。

toyokeizai.net

  

西野亮廣さんの考え方は個人的には好きなところが多い。ほとんどのメディアはクソだから、西野さんの悪いところをキレイに切り取って、そこしかないような見せ方をする。こちらの茂木さんとの対談も、人間的な面白さを強く感じる。

 

Dream HEART

Dream HEART

 

だから、この人を持ってして、バチクソに面白いと言わせるということは相当面白い人なんだろうと。お見合いみたいなもんですかね。複眼的思考も大事ですが、リスペクトする人から紹介されたら、そりゃ好きになる。

 

あるときから学校教育の現場に民間人を招聘するという動きが出始めた。藤原和博さんは2003年に東京都としては初の民間人から中学の校長先生をされた人物。当時、人物名やバックボーンは知らないものの、そのニュースぐらいは認識していたかと思う。

 

数あるうちのどの本から読み始めようかと楽しみながら悩んだ末に、副題が自分事だったのでコチラを選びました。

 

 

我々は、高度成長期など過去に生きた時代とは違う生き方を求められている。それは多くの本で教わることが多いが、そのいいモデルは成熟社会の先進国たるヨーロッパにあるというのは初めて聞いた。考えてみれば、当たり前と言えば当たり前だが、哲学のルーツがそこにあるからだ。
 
これまでの人生は、山なりのカーブのイメージが一つあるという人が多いと思われるが、これからは一つの山ではなく、いくつもの山が重なって連なるイメージを求めていく必要がある。富士山型から八ヶ岳型へと表現されておりました。
 
藤原さんはリクルートで最終的にはフェローという雇用形態で40代中盤まで所属していた。経歴を聞けば聞くほど、どれほどの努力があれば、そこに辿り着けるのかイメージがつかないレベル。仕事のスタイルは普通の日本人の目指すべきものとは違いを感じる。通常のサラリーマンであれば、早く出世をして、管理職になって、マネジメントをすることで対価を増やしていくことを希望するひとがほとんどのなか、藤原さんは出世をすることを途中から放棄するようになった。理由は、出世は仕事の老化現象であるからだ。ピーターの法則でもこう言われています。
 
時が経つにしたがって、階層社会のすべてのポストは、その責任を全うしない得ない従業員によって占められるようになる傾向がある。
 
言われている意味は分からなくもない。自分の組織を見ても、有能だと肌で感じれるひとは確率的に非常に少ない。実際、現場であるほうが、活力を与えられることも多い気がする。センスも努力もない部下を抱えてマネジメントをすることで会社に貢献するよりも、個としての力を最大限発揮して、自らの力を上げていくほうが実感もあるし、ストレスも少ないと思う。ただ、これは力がある人間だけができることで、すべての人間には当てはまらない。でも、管理職になることが良いことだという画一的な価値観は成長社会が生んだものであり、現代社会においてもこの考えがベストであるかは懐疑的な目を持つ必要がある。アメリカではマネージャーから先に解雇されていくことが少なくないと言う。
 
さきほどのピーターの法則は、階層組織が昇進をインセンティブにして社員の動機付けを行う限り、会社であっても、官僚組織であっても、すべてにあてはまるとしています。昇進は個人にとっても、組織にとっても怖いものである。だから、自分が何を追いかけたいのかが問われてくる。自分が何をしたいのか。それが重要だということ。会社から与えられるインセンティブで動くだけでは、自分のためになっていないだけでなく、組織のためにも結果なっていないということになる。

 

これからは組織にいながら自営的な考えを持つ組織内自営業者という意識を持てる人間が強くなる。実際に藤原さんは40歳で、組織内自営業のようなフェローという雇用形態に変えた。一番危ういのは、会社のなすがままにされることであることに気づかなければならない。自衛のための、自営業を意識する。会社と自分のベクトルの和を最大化したうえで、会社という建物のなかに、どんな店を出し、会社を利用して、スキルを磨く。会社の資産を使って、サラリーマンとして自らを鍛え上げ、個人をブランド化し、それが結果的に組織への貢献ともつながる。熟練したスキルを持つには1万時間あればいいと言っています。それは日本の義務教育と同じだけの期間だ。
 
 
成熟社会であるフランスにはこのような人生観が横たわっていると言われていました。
 
人は生を受け、死を迎えるまで、結局他人と完全にわかり合うことはできない。
 
この前提を踏まえて、いかに分かり合えないもの同士が、ともに幸せに生きていくことができるかを考えている。これまでの高度成長社会の日本では、みんな一緒にあることが正しいという社会で生きてきた。みんなと同じ時間に働き、同じ時期に休み、同じように大学に行き、卒業すればそのタイミングで就職して、みんな同じレールの上で進むことが正しいことかのように。成熟を迎えた今、個々人が多様な価値観を持ち、それぞれの生き方を求める社会となってきていることを理解し、次世代へとつなぐことが必要だ。みんな一緒から、それぞれ一人一人が生活を楽しみ、人生を豊かに生きる。そのためには、自分の価値観を柔らかく多様にし、価値観が違うものを認め合い、リスペクトすることを忘れず、そのうえで自分なりの幸福論を自分自身で編集し続けることが重要だ。

 

 

日常に飛び込んでくるニュースで誰しもが感じているとは思うが、人間が頭を使わなくていいように、機械のほうがインテリジェンスを高めている。この便利と表裏一体の、このヤバさにも気づく必要がある。そのためにも、藤原さんが説くような哲学が必要となってくるし、このようなスペシャルな方の哲学を自分なりに編集し、自分の哲学を磨かなければ、子供を育てるということは難しいと改めて感じた。

 

藤原さんの哲学を手軽に早く感じるにはこんなものもあります。通勤途中や、運転中とか、音だけでも聞き応え十分です。