世界トップエリートの行動を変える「スタンフォードでいちばん人気の授業」
最近は個人的に落合陽一さんにハマっているところがあり、先日のLive picsで明確な質問内容は覚えていないが、これからの時代を生き抜くためには、何をするのが最善策みたいな質問をされていたとき「そんなん、とりあえずスタンフォード行っとけばいい」みたいな話があった。
それまでは、そこまでその名前を意識したことはなかったが、それ以降いろんなところで目に入るようになって、この本に出会った。
スタンフォード大学は、グーグル、ヤフー、ペイパル、ネットフリックス、ナイキなどの創業者を排出してきた大学として有名だ。これほどの人材を育てた大学だが、そのバックボーンは、最先端のビジネスやトレンドを世界のどこよりも早く教えているからだというわけではないという。
スタンフォードで学ぶことの中心は、驚くほど人間的で、普遍的なこと。何よりも「自分を知る」「人間を知る」ということに焦点が置かれ、持続的に価値を生み出していく理論、フレームワークや、リーダーとしてふさわしい人間になるための基本を教えている。
実際に著者である佐藤知恵さんも言っておられましたが、ここ日本では普通に実践していることも数多くあった。その背景としては、日本人には、世界でも稀にみる慈愛に満ちた思いやりがベースとして備わっているということがある。
でも、日本の教育システムの中では、画一的なクオリティを量産するシステムであったため、個人ということはあまり尊重されず、現代社会においては、そこが大きく世界に遅れをとる理由になっている。
スタンフォードの入試では「あなたにとって大切なことは何ですか。そして、その理由は何ですか。」というテーマの課題作文を提出しなければならなく、入学以降も「あなたにとって大切なことは何ですか」と問いかけられているような日々を送るよう。人生の限られた時間をどう最大限に生かすのですか、情熱を傾きかけられる仕事や自分にしかできない仕事は何ですか、と語りかけられる。結果として、自分の夢を語ることができ、何かを変えたいという意欲を持つ人材へと成長することができる。
これは子育てにおいても非常に重要なことだ。どうなりたいのかのビジョン、そして、なぜそうなりたいのかを日々コミュニケーションすることは大きな意味を持つ。
本書ではストーリー、マーケティング、イノベーション、社内政治、リーダーシップ、コミュニケーション、交渉術、会話術、そしてマインドフルネスについて、スタンフォード大学の教授の話を中心に描かれている。範囲が幅広いため、それぞれが詳細に記載されいるわけではないが、触りを学ぶには非常に有効だと思う。
最後は、このようなことをメッセージしていた。
自分の努力次第で、人間はいくつになっても自分を変えられることができるし、ITの進化によって、人間を探求する手法も劇的に進化している時代に生きている。そして、スタンフォード大学でも熱心に研究されいるコンパッション(=思いやり)がキーワードになっていく。