勝川STAND

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一億総中流が生んだ『バカ格差』のくだらなさを学ぶ

この時代に、日本に生きていれば、ほとんどの人が格差を感じていると思う。

 

いま一番強烈に感じる格差は労働条件について。僕から見て、圧倒的に苦しいと感じさせる仕事をよく眼にする。なんでそんなことをしてお金を稼ぐのだろうと。一昔前はそれで思考停止していたけど、あ、それ自分も自分以外の人からは同じように見られてるなと思うようになった。旧態依然とした業界に身を置き続け、もがき苦しみ、耐えている。そんなに苦しいなら、外に出ればいいじゃん。僕とは違う次元に生きるひとからすれば、他にもっと魅力的な世界があるよって思われている。でも決断しない。悪いところもあるけど、良いところもある。例えば、背伸びしなくていい環境があるということ。この思考の時点で、ゴリゴリ働くマッチョなビジネスパーソンからすると、ダサいと思われるかもしれない。でも事実として、そう思う節はあって、それは思考の格差ではなく、ライフスタイルの多様性であり、働くということに対して、それぞれが、それぞれの考えを持ち、仕事に対して求めるものも変わるということ。比べる必要もないし、否定されても関係がない。

 

バカ格差 (ワニブックスPLUS新書)

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よく昔から言われる敷かれたレールを生きるというライフスタイル。その敷かれたレールに乗ったつまらない人生すら、今の日本では難しくなっている。日本にも、様々な格差が存在する時代になった。

 

欧州では、人間は人間らしい生活を送ることに重きを置き、人が富を得るのは自分が納得した生活を送るのであって、人に自慢することではないというスタンスのひとが多い。SNSは、基本的に幸せの絶頂を切り取った瞬間なのに、嫉妬を生む装置になっている。人と比べる嫉妬心はくだらなく、生きていくなかで全く必要のないものであって、例えばタワーマンションの階数格差は、現代日本人の思考の浅さの象徴と言える。実際に東京は魅力的な街で、学べる事も数多く存在するけど、なんでも東京が素晴らしいと思い込み、東京から何かを得るのではなく、東京に住むということが目的化してしまい、家賃を始めとする物価が高い環境で、低い生活レベルに甘んじている。なんでも欧米が優れているわけでもないけど、欧米のお金持ちほど、都心部から離れ、広大な土地が残る地方へ移り住むというケースが多い。

 

何を学んだかではなく、良い学校に入ることばかりを重視する教育にも問題ある。これは学校教育だけの問題ではなく、学歴を重視した採用を続けている企業に問題がある。確かに学歴は分かりやすい尺度で、採用する側もあまり考えずに、それなりの人材を確保できるから、便利といえば便利。でも、日常的に思うし、同感してくれるひとも多いと思うけど、学歴の高さと、仕事のパフォーマンスの高さは全く比例しない。結局こういった仕組みが、同じような人間を集めることになって、個人主義ではなく、集団主義的社会を構築するひとつの原因になっている。

 

そもそも、本来であれば、どこを卒業したかではなく、何を学んで何ができるのか、それを人に伝えれるかどうかが重要。一口に、どこどこ卒と言って評価されるのではなくて、何を考えて、何を学んで、それをどのように実践してきたのか。確かに人を見るということは非常に難しいことで、採用というのは、成功以上に失敗が多くなるということも想像はできる。だからこそ、人事部の採用担当は高次元の人種で構成することが求められるはずだけど、未来のプロフィットセンターと考える人は少なく、優秀な人材を集められていないと感じる。

 

肩書きとか会社名とかで競い合って、それがその人の人生にとって何の意味があるのか。会社の役職なんて、外に出れば使い物にならない。出世は運で、多くの好き嫌いで決まるもので、世界共通で通用するスキルで成り上がる人は少ない。それがバカげたことだと悟るには、属しているコミュニティから離れることが有効。違う価値観を知るということは、人生を豊かにする。

 

教育への投資は株よりもビットコインよりも安全で確実で、服やブランドなどの身分不相応の消費財にお金を使うよりも、投資する価値のあるものにお金を使う。節約すべきとこで節約し、使うところでは思いっきり使う。格差があっても、自分自身という軸があればいい。自分が信じるもの、自分が良いと評価するもの。一億総中流が続きすぎたために、格差という事実を受け入れられていない。

 

中国は急激な成長によって格差が拡大しているけど、それを是正しようとする動きはなく、このまま行けば国として形を維持することは難しいと言われている。自由の国であるはずのアメリカも、格差が激しく、階層移動も難しい。そいうった国々に比べれば、まだ日本は格差は少ないのかもしれないけど、日本にも格差が拡がっているということを認識はしておいてほうがいい。そして、その格差の多くが、くだらない独特の文化が生んだものということも認識しておかなければならない。ほとんどがバカげた格差。本来比べる必要のないところ比べて、嫉妬や不安が生まれている。他人と比べるということが、如何にくだらないことで、時間の無駄なのかを悟って生きていくことが、欧州人のような人間らしい生活に近づいていけるんだと。 

 

バカ格差 (ワニブックスPLUS新書)

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