勝川STAND

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成毛眞さんに学ぶ『AI時代の子育て戦略』

僕には幼い子どもが二人います。

 

いろんなことの不確実性が増していくなか、この子たちは自分が過ごしてきた時代とは全く異なる世界で生きていくんだろうということは確定しているなと日々感じます。テクノロジーが進化し、様々な面倒がなくなり、生活が豊かになる一方、競争相手が人間だけじゃなくなり、ナチュラルボーンな人間も減り、何をもって人間というのかの線引きも分からなくなる未来がやって来るんだろうと思う。

 

考えても答えが出るわけではないけれど、それを楽しむのか、憂うべきなのか、本当にわからない。ただ、ある程度は想像しながら生きておいて損はないと思うので、知見は広げておこうと思ってます。

 

未来がよく分からないと感じるものとして、個人的に最大の脅威だと感じるのは遺伝子改変技術の進化があります。クリスパーキャスナインという技術によって、人間を簡単にプログラミングするように、狙った遺伝子を操作することができる。これにより、今まで死に至らしめてきた病気の発症を未然に防ぐことができ、世界の不幸は減るが、個性さえも、操作できるというのが恐いと感じるところです。顔のパーツや、性格など、人間を人間たらしめてきた不完全な個性がコントロール可能になるという。現時点では、技術は完成しているものの、ルールや道徳が整備されていないため、生活に浸透はしていない。いつ一般化されるのか分からないけど、どんな世界が待っているんだろう。

 

そして、未来をより分からないものにするAIの進化。2045年には人間の知性を超えると言われており、いろんな議論がなされている。PVを稼ぐための、いろんな職が奪われるという記事をよく見るけど、職種の増減なんて、これまでもずっとあった話で、自分の仕事が未来永劫続くと思っているひとは、ちょっと頭が硬いと思う。自分たちが現役を終えるまでに、自分の今の職種があると信じて生きていくのは、難しいと思う。ターミネーターのようなシナリオは最悪のディストピアで、そこまでの世界はないと思うし、思いたい。

 

AIは敵ではなく、味方。僕たちの脳を拡張するようなものとして使えばいい。これまでもそうだったはず。人間は便利なものを使い倒して進化してきた。そんな話をしていると、脳みそが腐ってしまうというようなことを言い出すひとがいる。子どもにスマホを使わせると学力が下がるという言い方をする記事もあった。そりゃ失われるものもあるに決まってると思う。でも、得られるものもあると思うし、結果をどのような時間軸で見るべきなのかもあると思うし、そういう記事にはそういったことはまず触れられない。とはいえ、アナログの良さも感じながら、デジタルを駆使していくバランス感も大事だとは思う。

 

という背景がありながら、成毛眞さんのこちらの本を拝読しました。

AI時代の子育て戦略 (SB新書)

AI時代の子育て戦略 (SB新書)

 

 

個人的には、かなり同意できる部分が多くありました。この本を家に置きたかった理由としては、自分のパートナーにも読んで欲しかったから。僕は、自分が受けてきた育てられ方を同じように子どもにするのは、これからの時代は生きていくのが辛くなると思ってます。

 

たとえば、石の上にも三年的な発想で、何事も続けるコトが美徳であるという思考は非常に危険。子どもが自分でやりたいと言ったことだから途中で投げ出すことは許さないとか、ゲームは危険なものとか、何を教わるよりもネームバリューで大学を選ぶとか、そういう思考を持つ人とは僕は交われない。

 

そもそも大学に進学するということにも疑問があります。僕らが大学に通っていた時代は、大学に行くということが目的で、大学を卒業をしたというだけの社会的パスポートを得るためのひとが多く、自分は本当にそうだった。今になって、当時勉強できたことを改めてお金を払って勉強をしている。このスタイルはもう無理だ。

 

親に言われるのだけれど、親にしてもらったことは、子にしてやらなければならないというのも無理筋だと思っています。どう考えても、時代が違い過ぎる。くどいけど、大学もそう。大学に行って、就職率が高まる時代は終わってる。昔もいたけど、大学なんて行かずに目的達成をする方法は増えていると思う。親としては、大学以外の選択肢を提示してあげることも必要だと思う。その結果、これを学びたいと大学進学することはいいと思うけど、大学進学ありきで事を進めるのは苦しい。

 

ほとんどの人が子育てを何回もできるわけじゃない。なんでもかんでも人の話をただやみくもに聞く必要はないし、自分のスタイルを持つということは良いことだとは思うけど、成功体験を聞かないということは、個人的には理解に苦しむ。聞いたうえで、判断するべき。

 

「みんながそう」「昔からそうだった」「普通、そうだろ」とか言うタイプで、高度成長期に育ち、全員が同じベクトルを持つために洗脳され続けてきた世代は、特に学んでおくべき本であると思います。

 

AI時代の子育て戦略 (SB新書)

AI時代の子育て戦略 (SB新書)