勝川STAND

勝川STANDは、個人事業主様・フリーランス・小規模店舗経営者様に、無料ツールを使って、撮影から制作までリーズナブルにクリエイティブを提供します。

朝倉祐介さんに学ぶ、未来を生き抜く武器となる『ファイナンス思考』

私は、いまの組織のなかで、自分のやれることをやり、自分の得意なことや、強みになると思えることを探し、それを伸ばす努力をしてきました。極力、やらされ仕事みたいなものは回避できるような環境作りをし、自分の意思で仕事をするということ意識してきました。そうすると、自分の居場所みたいなものができて、自分の進むべき道というのが何となく見えてきました。

 

でも、それができないという人種は山のようにいる。それは、いろんなことに対して疑問や問題だと思うことをあまりやってこず、ただ言われたことを遂行するということで対価を得るということが体に染み付いてしまっているから。

 

これはもうどうしようもない。心配して声をかけても、相手の常識を変えるということは難しく、言ったところでなかなか変化はない。最近は、それぞれの人生だから、放っておけばいいと思うようにしてる。

 

でも、マネージャーはそうはいかない、はず。そのような人間も束ねて、戦略を立て、実行し、計画を達成するというチームを作らなければならない。けれど、自分のいる組織では、そのような当たり前のことが起きない。

 

バブル世代の無能なマネージャーたち。

 

自分たちのいる業界がシュリンクしているのに、新たな市場を開拓したり、新たな戦略を立てるわけでもなく、ただただ前年比100+α%という計画を立てる。もちろん根拠のない計画だから、達成できるはずもない。

 

なぜ人口も減り、今までの市場が小さくなっていて、新たな市場を獲得していないのに前年を超える売上が達成できるのか。これは個に頼っていると言わざるを得ない。できるやつに、やらせておこう的な。

 

とにかく、ろくに自分の脳みそのアップデートもしないで、いまだに高度成長期の成功体験に固執する老人たちに、私たちの未来を委ねられないという気持ちは日々高まる。

 

著者である朝倉祐介さんは、何かの記事で、これで理論武装して戦ってもらえればという言葉を残されていた。

 

 

以前よりいろんなメディアで朝倉さんの言動には強い興味を持っており、Voicyも日頃から聞いていて、本書の言葉はスムーズに頭に入っていきました。

voicy.jp

 

日本経済停滞の原因は少子高齢化という社会構造が大きな変化を及ぼしているが、ビジネス当事者のファイナンス思考が欠如していることが問題。売上・利益が経営の目的というPL脳という病が蔓延している。ファイナンスは、お金を外部から調達し、投資や還元する活動のことで、「ファイナンス思考」は、将来に稼ぐと期待できるお金の総額を最大化しようとする発想であり、価値、長期、未来的な志向。答えのない時代を生き抜く武器となり、会社の戦略の組み立て方に必要となる。

 

日本は「失われた10年」から、20年、30年とまで言われるようになり、それは「国民総PL脳」が起因してる。終身雇用、年功序列、企業労働組合の三点が日本経営の特徴で、人口増、市場が拡大しているなかでは奏功していたが、いまの時代には合っているとは言えない。

 

良い会社の条件は誰の視点から見るかで変わるもの。GAFAは、ファイナンス思考に裏打ちされた活動がある。Amazonは多額の赤字を計上しながら、ビジネスを拡大してきた。主力だけでなく、複数事業による継続的な成長性が必要となる。会社の意思決定のなかには、目の前のPLを最大化することを目的とした近視眼的な内容が紛れている。

 

どんな業務であれ、ファイナンスで言う資金の創出に該当する。金を稼ごうと思ったら、金を使わなければならないものであり、資金をうまく活用し、より大きな富に繋げる資金の最適配分が経営者の腕の見せ所。PL脳は、高度成長期に最適化した思考形態。高度成長期に進捗度合を評価する基準として機能したのが昨対比。変化が乏しく、直線的に市場が成長する状況であれは有効。縮小する市場で事業を展開しながら、新たな市場を開拓する必要に迫られた局面では、非連続にジャンプする仕掛けが必要となる。マーケットの構造変化を把握したうえで、生産設備の構築や処分、投資回収を考えるべき。

 

PL脳で成長できる時代が終わったのは、ダイエーの破綻がそれを証明している。日本経営はネズミ講状態とも言える。新入社員は低い賃金に耐えて滅私奉公し、後になって給料を取り戻す。

 

終わりにこんなことが書かれていた。

 

成否を左右するものは「理」「心」「運」に因数分解することができ、その割合は1:4:5程度で影響を及ぼしているのではないか。

 

「理」とは頭で考える部分。「心」とは「理」から導きだされたものを実行しきる胆力。「運」とは十分条件であり、必要条件である理と心を準備できていないところには降りて来ないもの。ファイナンス思考はここで言う「理」に該当する。

 

目先の売上を確保することだけに固執するのではなく、未来を創るためには確実に投資が必要で、ファイナンス思考という志を、今の時点からインストールしておくことは、来るべき未来が来たときに、非常に意味があると思う。